1958年に誕生したスーパーカブ。現在までに6000万台以上を売り上げ、日本を、いや世界を代表するオートバイと言っても過言ではない。そのカブだが、07年に50ccシリーズをマイナーチェンジ。環境性能の向上などを目指して、電子燃料噴射装置(PGMーFI)を搭載。一方、スーパーカブ90は08年の排ガス規制により生産終了となっていた。
そこで今回、90ccシリーズの後継機種として新たに登場したのがスーパーカブ110だ。
まずは気になる新生カブのスタイリングだが、基本は先代のイメージを継承しつつ、全体的にスマートな印象にチェンジした。とくにカブを象徴するレッグシールドの形に関しては、下の部分が細くなり見た目もだいぶスタイリッシュだ。ただし、樹脂パーツを使用している割合が多くなっているので、趣味のバイクとして見た場合には、好き嫌いが分かれるところだ。
FI搭載の新型109ccエンジンは、キックとセルの両方を装備。軽くセルを押せば、エンジンはこともなげにあっけなく始動する。さすがFIだけあって、アイドリングも安定している。
現代人の体型に合わせて、ハンドルとシート間が若干伸ばされるなど、見直されたライポジだが、身長163cmのボクが乗ってみても、格段大柄になった感じはなかった。
早速街なかに出てみると……かなり速い! 加速では一般のクルマを十分にリードできるし、街中の流れにも問題なく乗れる。今までの、ノンビリしたイメージはなりをひそめ、全体にキビキビとした感じとなった。
そして、特筆すべきは足まわり。ボトムリンクだったフロントサスがテレスコピックに変わり、リヤも若干固めになった。このおかげで、高いスピードでも安定した走りができ、カブ独特の乗り味からオートバイのそれに近づいた。
仕事の足としてはもちろん、セカンドマシンとしても魅力的な新生カブは、21世紀も多くの人に愛されることだろう。
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