ビギナーには入門モデルとして、ベテランにはセカンドバイクとして脚光を浴びている125ccクラス。今年ホンダはこのクラスへ新たに5機種を投入した。その中の1台であるCBR125Rは水冷単気筒エンジンを搭載し、前後17インチタイヤを履く本格スポーツモデル。外観は、シリーズのフラッグシップCBR1000RRに通じるマッシブなイメージ。シリーズ共通のショートタイプマフラーはマスの集中化に貢献する。
跨がってみると、足付き性は見た目の印象ほどではないものの良好。車重が軽く停車時の取り回しにも不安を感じることはないだろう。
走り出してみると、エンジンは5千回転も回っていればクルマの流れに乗れるし、なにより低速トルクがスムーズなのでエンジン回転にそれほど気を使うことなく走り出すことが可能だ。その一方で、ピークパワーを活かした走りをしたいのなら、7千回転以上をキープしたい。とはいえこのバイク、実際のスピードより体感スピードが速く、車速はそれほど乗ってなくとも、エキサイトメントを感じることができる。
ハンドリングは軽快。どちらかといえば安定性重視の車体だが、マシンがコンパクトなため旋回性は高い。コーナリングはイージーで、ペタペタとバンクし、クルクル曲がる。フロントブレーキは指1本でも充分な制動力を発揮し、リニアで精密なコントロールが可能だ。「走る、曲がる、止まる」のすべてが、ライダーにフレンドリー、かつハイレベルなCBR。これからバイクの世界に足を踏み入れるエントリーユーザーには最適な1台だし、ベテランでも楽しめる性能を持っている。
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