CBR900RRの誕生から20年という節目の年に生まれたCBR1000RRの2012年モデル。
デザイン変更によって、これまでより攻撃的な印象となったフロントマスク、ビッグ・ピストン・フロントフォークやバランスフリーサスペンションの採用など、フルチェンジと呼べるような進化を遂げている。
まずサーキットに持ち込むと、プロリンクの美点である後輪のトラクションのつかみやすさ、という部分が向上。車体の向きを変えてからのスロットルの開け始めでしっかりとリアタイヤを感じることができるので、走らせていてとても気持ちがいい。ギヤ比がロング寄りのため、低中回転域でのエンジン特性に若干パンチ不足を感じるが、右手の動きに対する反応が良いのでむしろ乗りやすい。
ストリートでは、そのエンジン特性が武器となり、シビアなスロットルワークを必要とせず、ちょうどいいじゃじゃ馬加減で走ることができる。しかもそれは、ライダーに操っている感も与えてくれる楽しいものだ。コンパクトでレーシーなポジションも、左右へと果敢にバイクを振り回す気分にさせてくれる。本モデルから、装備されたシフトインジケーターも便利だ。前後連動機能付きABSはすでに手馴れた感じで、わざとABSを作動させても、数回のポンピングで何事もなかったかのように制動する。
SSモデルの購入を考えているユーザーは、ストリートでのスポーツライディングをメインに、たまにサーキット走行も楽しむという使い方が多いはず。そんな使い方を考えた場合、新しいCBR1000RRはベストに近い選択と言えるだろう。
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