低くて長く、クルーザー的だった従来型に対して、高くて短く、スポーティなキャラクターに変貌を遂げた’18年以降のフォルツァ。ちなみにその方向転換は、同じ’18年型でマジェスティからX-MAXへのバトンタッチを行った、ヤマハの250ccスクーターも同様で、今回の試乗前に2台の技術資料を調べた僕は、フレームとフロントまわりの剛性に関しては、ヤマハが優位という事実を把握。だから正直言ってフォルツァのスポーツ性には、あまり期待はしていなかった。
だがしかし、最新のフォルツァは侮りがたい資質を備えていたのだ。少なくとも従来型と比較すれば、ハンドリングは格段にスポーティで、峠道ではフレームやフロントまわりに不安を感じることなく、気持ちよくコーナーをクリアできるし、市街地は1クラス下のイージーさと言いたくなるほど、スイスイ俊敏に走れる。もっとも厳密に言うなら、乗り手の操作に対する車体の反応は、X- MAXのほうが上なのだが・・・。
快適性と利便性なら、フォルツァに軍配が上がりそうだ。その一番の理由は、エンジンと車体の味付けが安定志向になっていることだが、良好な足つき性や電動調整式スクリーン、フルフェイスヘルメット×2が収まるトランクスペースなども、ヤマハとは一線を画する要素。と言っても、X-MAXが不愉快で不便というわけではまったくないので、250ccスポーツスクーターに対する、ホンダとヤマハのスタンスの差異を理解したい人は、両方に試乗してみるべきだろう。
|