かつてホンダを代表するスクーターだったタクトが、16年ぶりに復活。新たに登場したモデルはアイドリングストップ機構を備えた水冷4ストローク単気筒の「eSP」エンジンを搭載し、30km/h定地走行テスト値で1リッターで80.0kmという省燃費性能を実現している。
張りのある大きな曲面を基本としたデザインは、厚みある立体的なもの。それでいてシンプルで落ち着きのあるスタイルで、日常に溶け込みやすい。
ライディングポジションは、見かけよりもゆったりしており、特に足元が広い印象を受ける。シート高は720mmと、足着き性は申し分のないものとなっているのだが、加えてシート高を15mmシート低めた「タクト・ベーシック」も用意し、小柄な女性ユーザーにも配慮している。
シート下のラゲッジボックスは20Lを確保。深い形状でA4ファイルがそのまま入る大きさだ。インナーラックや折り畳み式の大型フックも装備するなど、収納力も十分。メーターパネルには時計も装備されている。
「eSP」エンジンは、アクセルを開けると意外なほど力強い加速を見せてくれる。とても燃費のいいエンジンなのでのんびりした加速だと思っていたが、いい意味で裏切られた印象だ。アイドリングストップは信号待ちで3秒ほどするとスッとエンジンが止まり、ほんの少しでもアクセルを開けると滑らかに再始動する。また乗り味は路面の凹凸などでもバタつく挙動が少ないなど、質感の高さも魅力のひとつとなっている。それでいてコストパフォーマンスに優れる、満足度の高い原付スクーターなのである。
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