- SPECIFICATION
- エンジン●水冷4ストロークDOHC4バルブ・単気筒
- 排気量●249cc
- 最高出力●20kw(27ps)/8,500rpm
- 最大トルク●23N・m(2.3kgf・m)/7,000rpm
- ミッション●常時噛合式6段リターン
- 全長×全幅×全高●2,035×720×1,125mm
- ホイールベース●1,370mm
- 車両重量●161kg【ABS車は165kg】
- シート高●780mm
- 燃料タンク容量●13L
欠点の無い完成度が唯一の欠点となる
ホンダが、いや、日本が誇るスポーツマシン。CBR。かつても、CBR250Rというモデルは存在したのだが、それは並列4気筒を搭載したキンキンのスポーツモデル。対して、現行CBRはタイ生産のグローバルモデル。よって、あらゆる使用状況を想定した、とにかくバランス重視のマシンとなっている。ライディングポジションも、見た目のスポーティーさと異なり、アップライトで緩やかなもので、非常に取っ付きが良い。
エンジンは適度な鼓動感を残しつつも、振動でシングルを主張することもない。低中速域では、トコトコと、気負わずのんびりと走ることができる。しかし、パワー的にはそれほどでもないとはいえ、しっかり回して走れるのがCBRの旨みでもある。スムーズに、高回転までグイグイ回るその性能は、シングルエンジンらしからぬとも感じられるほど。
高回転を維持して走らせれば、けっこうなペースで走ることも可能。ハンドリングに高級な感触はないものの、設計の確かさはしっかりと感じられる。軽快さをいかして、安心してコーナーを攻め込んでいける。さらには、低価格ながらコンバインドABSもオプション設定と、一歩先を行く装備。走りだけでなく、安全も買えるなんて、やっぱりホンダ。
敢えてひとつ難点を挙げるなら、あまりにもそつなくまとまっていることにより、エキサイティングさやスリル感に欠けるということくらい。入門モデルという位置づけながら、レースベース車の販売やCBRカップを全国で開催するなど、次につながる仕掛けをしているところも、さすがホンダといえる所以だろう。