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![]() Text / Shinji Kanno シュラウドだけ見ればモトクロッサー(CRF-R)と区別がつかないスタイリング。やはりレッドはホンダ・オフロードを象徴するカラーだ。
●全長×全幅×全高=2,195×815×1,195mm●排気量249cc
名車XR250が惜しまれつつ生産中止になって以来、「新しいホンダ250トレールはいつ出るの?」というのがオフロードライダーにとっての時候の挨拶のようになっていた。そして今年、大きな期待とともに登場したCRFはまぎれもなく、待った甲斐のある新車だったし、名車XRの後継車にふさわしい乗り味だった。 基本設計の古さや空冷であることを逆手に取って“抜群の信頼性”を手に入れ、絶大な支持を集めていたXR。その貴重な財産を捨て、すべてを新設計としたマシンなのに、XRらしさ(=ホンダトレールらしさ)が感じられるのはどの部分なのかといえば、それはズバリ、ハンドリングだと言える。 CRF250Lの魅力のひとつは本体価格がお手頃なこと。これはつまり、買ってから自分色に染めやすいってことで、旅装備にお金をかけてみたり、チューニングで可能性を探ってみたり、ドレスアップしてみたりと幅広い。保安部品を外してレースを楽しむためには手を入れたくなる部分が多いかもしれないけれど、走りだけを突き詰めた仕様は面白そう。逆に格好だけ、AMAモトクロスのフルレプリカにして、ナンバー付きのまま街乗りってのも粋だ。 ワインディングでもストリートでも、また林道でも変わらない安定感はまさにXRのそれと似通ったものがあり、新機軸フロントフォークの動きの良さもあって、“上質”と表現したくなるほどのハンドリングになっている。ハンドリングの過剰な軽さは不安定感を生むし、重く粘りすぎると乗り心地が悪い。その突き詰められたバランスが、あらゆる路面で感じられるのがCRF250Lというバイクだ。 CBRゆずりのDOHCエンジンが単気筒エンジンとは思えないほどスムーズに回り切るのも、このフィーリングを生むための大きなポイントとなっていて、ライダーのレベルを問わず、誰でも安心してオフを楽しめるはず。 モトクロッサーライクな外観ながら、オフロードの楽しさはスピードだけじゃないよと教えてくれる。進化してもなお、XRが持つメッセージはライダーにやさしい。 @全長×全幅×全高A排気量B車両重量C最高出力D新車価格E平均中古相場 HONDA XR250(旧型) @2,175×805×1,190mm A249cc B133kg
C21kW(28ps)/ 8,000rpm D−E33万6000円 KAWASAKI KLX250 @2,200×820×1,190mm A249cc B136kg
C18kW(24ps)/ 9,000rpm D52万8000円 E42万円 YAMAHA SEROW 250 @2,100×805×1,160mm A249cc B130kg
C14kW(18ps)/ 7,500rpm D49万3500円 E40万4000円 YAMAHA WR250R @2,190×810×1,235mm A249cc B132kg
C23kW(31ps)/ 10,000rpm D70万1400円 E60万1000円 |
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