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![]() Text / Shinji Kanno トライアンフらしいスタイリングの内に電子制御というテクノロジーを折り込み、冒険に特化。ワイルドだがライダーにはやさしい。
●全長×全幅×全高=2,248×885×1,410mm●排気量1,215cc
今や世界的なムーブメントとなって各メーカーが開発に注力しつつあるリッターオーバークラスのアドベンチャーツアラー。このジャンルを牽引しているのがBMW-GSであることは疑いようがないのだが、トライアンフはこのジャンルに敵意をむき出しにしてニューモデルをぶち当ててきた。 ブランドアイデンティティとなっているトリプルエンジンを包むスタイリングは、トライアンフらしい無骨さを各所に感じさせながら、どこか洗練された印象。クルーズコントロールやタイヤ空気圧監視システム、平均燃料消費量表示といった、旅を快適にする最新機能をフル装備しながら、“冒険者”としてのワイルドさも持ちあわせているのだ。 日本国内では、やっぱり北海道。フラットダートをからめてのロングディスタンスが楽しそう。休みさえ取れれば長旅といきたいところだけど、「1泊2日の強行旅」なんてのもコイツならイケる。フェリーの時間だけチェックしておけば、あとは高速道路をクルーズコントロールで淡々と。日曜日の深夜に帰宅しても月曜日の朝から元気に仕事できそうな感じ(あくまで予想)。夢はでっかく大陸横断や故郷イギリスを訪ねる旅も良さそうだなぁ。 官能的なふけ上がりを見せるトリプルエンジンはライド・バイ・ワイヤシステムによって綿密に制御され、ライダーを疲れさせないことにフォーカスさせているのがよくわかる乗り味。しかし低中速域で演出されているラグジュアリー感は、高回転域でクセを見せ始め、次第に牙が尖ってくる。そしてここからが楽しい。大胆にマシンをバンクさせても不安なく、無造作にアクセルを開けるだけで最高のサウンドとともにコーナーを立ち上がる。高めのギヤのままゆったりとしたペースでの走りを楽しめる一方で、たまにムチを入れてやると強烈に楽しいのがトライアンフのトリプルエンジンだ。 どこまでも行ける安心感と、やんちゃさの両立。まるで世界に旅立つ冒険者が、頼りになる見た目のその内側に、少年の心を持ち続けているような、そんなマシンだ。 @全長×全幅×全高A排気量B車両重量C最高出力D新車価格E平均中古相場 HONDA @2,285×915×1,335mm A1,237ccB275kg
C95kW(129.2ps)/ 7,750rpm D163万2750円(M-TEC)E− YAMAHA @2,255×980×1,410mm A1,199cc B261kg
C80.9kW(110ps)/ 7,250rpm D160万6500円(プレスト参考価格)E150万6000円 DUCATI Multistrada 1200 @2,150×825×1,400mm A1,198.4cc B192kg
C75kW(103ps)/ 6,000rpm D185万円 E172万円 BMW R1200GS @2,210×940×1,450mm A1,169cc B244kg
C81kW(110ps)/ 7,750rpm D209万5000円(HiLine)E180万7000円 |
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