
400ccのネイキッドこそ、日本の道路事情にベストマッチなオートバイである。それくらいに乗りやすく面白い。
CB400SFやグラディウスに乗れば、誰でもそう思うことだろう。特にこの2台は、驚くほど乗りやすく、どんな使い方にも完璧に対応する懐の深さを持っている。渋滞している都心部での通勤通学、サーキット、ロングツーリングなど、走る場所を選ばない。
CB400SFは、登場から20年近い時間を経て熟成された。
その水冷4気筒エンジンには、可変バルブシステムのVTECが装備され、低中回転はトルクフルな2バルブ、そして高回転ではシャープに吹け上がる4バルブと、エンジンの性格を変える。
ハンドリングは4気筒エンジンらしい安定感があるいっぽうで、意図的に操作すれば軽快にマシンがバンクしていく。長年かけて改良されてきたハンドリングは、文句のつけようがないほどに完成されている。
いっぽうのグラディウスは、ツインエンジンの小気味良い鼓動感を感じさせながら走る。低回転での力強さは400ccとは思えないほど。そして8000回転付近からは、エンジンのまわり方がシャープになり、一気に吹け上がっていく。シャープさという点ではマルチに劣るが、実際の速さはほとんど互角。ハンドリングには、2気筒ならではの軽快さがあり、高速域での安定感も高く、乗りやすさに関してもやはりいい勝負だ。
2台ともに峠ではビッグバイクにはない、自由自在な感じがあるため、安心して思い切った走りをすることができる。その速さは、ビッグバイクで追従することが、ほぼ不可能な速さなのである。
この痛快な走りこそ、ミドルネイキッドの真骨頂。ビギナーからベテランまで、誰が乗っても楽しめること間違いない。