
今やビッグマシンのスタンダードとなっているネイキッドだが、今回取り上げる2台は、スポーティさをウリにしているモデル。アルミフレームに水冷エンジンを搭載してクォリティの高いサスペンションを装備している。
FZ1は、当初スーパースポーツYZFーR1のエンジンを搭載したネイキッドとして話題を呼んだ。ただし内部は全面的に作り替えられているから、過激な特性は影を潜め、非常に乗りやすい。
エンジンは、国内の厳しい規制をクリアしながらも94馬力を発生。逆輸入車のような猛烈なパワーはないが、ストレスなく吹け上がり、十分に速い。また、国内の道路状況を考えて作り込まれているため、どんな時も意のままにパワーを引き出すことができる。
コーナーではガッシリとした車体の剛性感が素晴らしい。全体的にとてもしっかりしていて、ハイペースな走りをしてもまったく問題なし。スポーツ走行時の限界の高さは、ビッグネイキッドの中でもずば抜けている。
対してZ1000は、フルパワーエンジンによる問答無用な力強さが特徴。排気音も荒々しく響き渡りライダーを威嚇する。低回転でもスロットルを開けた瞬間にドンと押し出されるトルクがあり、高回転では気が遠くなりそうな勢いで回転が上がる。
ハンドリングは、FZ1に比べて、よりストリート向きになっていて、街なかやワインディングで軽快。だが、エンジンのパワーがありすぎるため、はっきり言って国内の道路環境ではもてあましぎみであることも事実。サーキットでもない限り高回転は使わないような割り切りが必要かもしれない。
思い切って高次元な走りができるFZ1と、ありあまる過激パワーのZ1000。どちらがいいかは、ライダーの走り方と好みによって決まるはずである。