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2024/12/13 19:53:47 更新【ドゥカティモンスター400】ドライブチェーン交換、エンジンオイル&フィルター交換、クラッチプッシュロッドOリング交換、車検ドゥカティ モンスター400

作業実施日 2024/12/13

車検整備でドゥカティモンスター400にご入庫いただきました。 当店で販売した車両ではないため、これまでの整備履歴がわかりません。 お客さまとよく相談したうえで整備個所を決定しました。

まずドライブチェーンの交換です。 ミッツ・ハーの車検整備費用にはドライブチェーンの点検ならびに調整、清掃、注油が含まれています。 しかしながらかなり劣化しているため交換することにしました。 標準的なドライブチェーンはスチール製です。 すぐに錆びる素材です。 錆びは見た目にもよくありませんし、チェーン自体の動きを悪くすることがあります。 その錆を防止し、チェーン自体の動きをよくするために定期的な注油が必要です。 チェーンは錆びることが問題なのではなく、錆びたことにより動きが悪くなることが問題だということを覚えておいてください。

ドライブチェーンはプレート同士をピンで繋ぎ合わせあります。 外側にあるプレートと内側にあるプレートのそれぞれ2つある穴にピンが刺さり、繋がっています。 このピンを受ける部分…つまり軸であるピンに対し受ける部分は軸受けになりますね、この部分をブッシュといいます。 このブッシュとピンの部分で繋げられたプレートが屈曲するようになっています。 ピンとブッシュは常に屈曲するので摩耗します。 この屈曲をスムーズにすると同時に、摩耗を防止する目的でピン・ブッシュの部分にはグリースが封入されています。 そのグリースが流れ出てこないようにするとともに、ピン・ブッシュ部にホコリ等異物が入らないようにするためにOリングで封入されています。 このOリングを使っているチェーンがいわゆる「シールチェーン」です。 ブッシュが直接スプロケット(歯車)に噛み合うと著しく摩耗しますので、このブッシュ部にローラー状の部品を装着してあります。 チェーンの屈曲時にスプロケットの歯と強く接触しながら回転し、大きな衝撃と摩擦を受けます。 チェーンの発する音はこの部分から発生しています。

屈曲自体はグリスが封入されているので良いのですが、定期的に注油をしないとこのローラーがスムーズに動いてくれません(回転してくれません) それがチェーンの異音となるのです。 また、注油をおろそかにしてプレートが錆びると、それ自体は問題ありませんがその錆が徐々にピンにも浸透します。 こうなるとピンやブッシュ部も内部から錆びてくることがあり、こうなればスムーズに屈曲してくれなくなるのです。 一部では「シールチェーンは屈曲部にグリスが封入されているので注油が不要」という話しがまことしなやかに語られたりしますが間違いです。 ローラー部に注油は必要です。 プレートの錆自体は問題ありませんが、プレートの錆がピンやブッシュに伝わってしまうことを防止する意味でも、プレートは錆びさせないように注油しておくのがベターです。

専用の工具を使って使用中のチェーンを切断します。 といってもチェーン自体を切るのではなく、リンク部のピンを専用工具で抜き取る作業です。 ピンは圧入されていますので簡単には抜けません。 専用工具も使い慣れていないと工具を破損させてしまいますから経験と共に注意が必要です。

切断した古いチェーンに新しいチェーンを繋ぎ合わせ、古いチェーンを抜き取ると新しいチェーンに入れ替わります。

新しいチェーンに入れ替わった後はチェーンを繋ぎ合わせます。 ジョイント部分のピンにしっかりとグリスを塗布しOリングで封入。 その後、専用工具でピンの先端を膨らませるようにカシメて抜けないようにします。 ここもカシメ方が弱ければピンが抜けてしまいますし、強すぎればリンク部分の屈曲がきしむように動きが悪くなります。

お洒落は足元から…なんて言いますがオートバイも同じで、チェーンと言う車両下部でそれほど目立たない箇所でも、新しくなるとなんだか気持ち良くなりますね。

チェーン交換後にオイル交換です。 古いオイルを抜いている間にプラグ交換も行います。 プラグの交換時期ですがオイルと違い、基本的には距離で管理します。 エンジンオイルは距離はもちろんですが、熱が加えられた時点から徐々に劣化するため半年以内に交換します。 プラグは時間の経過による劣化はそれほど気にしなくて良いので距離をしっかりと管理しておきましょう。 交換時期は5000キロが推奨されます。 これはプラグメーカー(NGK)の推奨基準です。 イリジウムプラグや白金プラグのすべてが長寿命ではありません。 長寿命のプラグは両貴金属プラグと言われるものです。 中心電極のみ白金やイリジウム合金を採用したプラグは高性能ですが交換の目安は従来と変わりません。 常用エンジン回転数は自動車より遥かに高いのがオートバイの特徴です。 エンジン回転数が倍なら、1分間の点火回数も倍になります。 従って自動車と同じ距離の使用は不可能です。 もしプラグの交換で明らかに違いがわかるほど体感できたら…それは使いすぎだったのかもしれませんね。

オイル交換をしながら車両各部をチェックしていくと、クラッチレリーズ付近にオイル汚れを発見しました。 モンスターは油圧クラッチです。 クラッチレバーを握るとマスターシリンダーが作動し、ブレーキフルード(ブレーキオイル)を圧送します。 圧送されたブレーキフルードはクラッチレリーズにつたわり、レリーズ内のピストンを押し出します。 油圧によってピストンが押されるわけです。 ピストンの先にあるのはクラッチプッシュロッド。 つまりクラッチレバーを握ればクラッチプッシュロッドが押し込まれます。

車体左側にあるクラッチレリーズ。 プッシュロッドはエンジン内部を貫き、右側にあるクラッチプレートを押しこみます。 こうするとクラッチが切れる仕組みです。

問題はこのプッシュロッドがエンジン内部を貫いていること。 プッシュロッドを伝ってオイルが漏れてこないか心配です。 そのオイル漏れを防ぐためにプッシュロッドには2つのOリングが装着されており、それがオイルシール(パッキン)の役割を果たしてくれています。

ところがこのOリングはそれほと強くシール(パッキング)していません。 あまり強ければプッシュロッドの動きが阻害されるためです。 プッシュロッドが動くたびにOリングは擦られます。 つまり徐々に摩耗していきます。 更に時間の経過とともに弾力のあったゴム製のOリングは硬化します。 こうなるとシールの役割を果たさずオイルが滲んでくるのです。

これはトラブル修理と言うよりも消耗品の定期交換ですね。 摩耗しているOリングと未使用のOリングを比べるとわずかですが未使用品のが太いのがわかると思います。 わずかですがこれ程度の違いでオイル滲みの有無があるのです。

新しいOリングをつけると、いままでのものより太いのがわかります。 このまま乗っててもトラブルでエンジンが故障することはありません。 別にオイルが噴き出すわけではないですし、滲む程度ですから。 ただ滲むと…汚いですよね… オートバイは奇麗に乗りましょう。 常に奇麗にしていればこうしたオイル滲み等の不具合に早々に気づくことができます。 奇麗に乗っているオートバイは大きなトラブルが少ないと言いますが、実際には大きなトラブルの前に気付けるからなんです。 定期的な洗車こそが点検方法で最も有効な方法なのです。

古いエンジンオイルが抜けきったら新しいオイルフィルターを装着し、オイルを注油します。 ご依頼の整備のあとはブレーキフルードを交換し、車検のために各部を点検します。 灯火類で意外とうっかりするのはナンバー灯。 昔のオートバイはテールランプの灯かりがナンバーを照らしていましたが、最近のオートバイは独立してナンバーランプが装備されます。 ひととおり点検と整備を実施すれば作業は終了。 あとは車検を受ければご依頼は完了です。 車検は予約制となっています。 費用は法定費用と基本点検整備料、車検手続き代行費用で47,360円からになります。 この車検のタイミングで今回のようにオイル交換やブレーキフルード交換、プラグやチェーンの交換等の整備にご依頼があれば追加になります。 日常的に定期整備をしていればそれほど高額だとは思いません。 どうぞお気軽にお問い合わせください。

対象車両情報
メーカー・ブランド
ドゥカティ
車種
モンスター400
作業実績タグ

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