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2025/07/28 19:14:46 更新【ドゥカティSS900】車検整備、燃料タンク交換、燃料ポンプ交換、燃料フィルター交換、オイル交換、チェーン交換、バッテリー交換、各種整備ドゥカティ SS900

作業実施日 2025/07/28

しばらく乗っていなかったというドゥカティSS900にご入庫いただきました。 他店で購入された車両ですが、お住いに近い当店へ初めてのご依頼です。

以前、走行中にガス欠のような症状が頻発。 以後、始動するもののしばらく走ると吹け上がりが不調になり、アイドリングも不安定。 エンストすると再始動も困難ですが、しばらく停止していると始動できるということでした。 そのまま乗らなくなり2年以上が経過。 今回はその修理とともに各部も整備して車検を取得します。

ガス欠のような症状で考えられるのは燃料タンクの負圧通気弁。 ガソリンが消費すると油面が低下し、タンク内には空間が生じます。 この際、外から空気を取り入れないとタンク内は真空になりますのでガソリンがエンジンにながれなくなります。 ガス欠のような症状が発生するのです。 この症状うがでたときは耳をタンクキャップに近づけてそっとあけてみてください。 「シュッ」と空気が吸い込まれる音がしたら通気弁が詰まっている証拠。 通気弁を清掃します。

他に考えられるのは燃料ポンプの不具合、あるいはフィルターのつまりです。 エンジン始動しないとき、耳をタンクに近づけてイグニッションをONにししょう。 ポンプの作動音がしなければポンプの不良ですから始動できません。 仮にポンプが動いていても、断続的な音が出るなどスムーズに動いてなければ不具合と判断できます。

こちらの車両はタンクがかなり錆びています。 これだけ錆びているとフィルターが詰まっていることも考えられます。 また、エンジンの不調とは別ですがガソリンの滲みも発覚しました。 スポット溶接個所から滲んでいます。 振動でわずかなヒビが入ったのでしょう。 この世代のドゥカティはよくあることで、後年には樹脂製タンクが主流となります。 ガソリンが垂れるほどではないのですが、じわりと滲み出たガソリンが揮発しています。 タンクの裏側や、滲んだ箇所周辺が揮発したガソリンで赤くなっています。

錆と滲みがあるタンクは錆とりと穴を塞ぐ方法もありますが、既に一度コーティングを施工しているタンクだったため、再度の錆とりはできません。 四半世紀以上前の車両ですが新品タンクはメーカーから供給されます。 日本のオートバイメーカーと異なり、欧州車は部品供給期間が長いのが良い点ですね。 しかし高額です。 社外のアルミタンクもあり、錆びませんし純正より安価なのですが、それでも20万円もします。 そこで当店で中古タンクをさがしてご案内しました。 「中古部品商」にタンクを探してもらい、良いものを手に入れることができました。

錆び汚れが付着してますが燃料レベルセンサーは壊れていません。 洗浄して交換するタンクに移設します。

今回のガス欠症状はどれが原因かは特定できませんでしたが、錆がフィルターを詰まらせた可能性が一番高いと判断しました。 しかしかなりひどい錆だったのでポンプも傷んでいたと思いますし、長くのっていなかったこともあり通気弁も詰まり気味だったと思います。 つまり複合的な要因です。 従ってポンプとフィルターは新品に交換し、通気弁は清掃します。

新しいタンクにポンプ類を取り付けてから車体にタンクを装着。 ガソリンを入れて漏れていないことを確認します。 すぐにエンジンを始動したいところですが、バッテリーが弱っており始動できません。

さすがに2年ぶりだとバッテリーは上がっています(電圧低下) テスターで測ると電圧は10V程度あり、充電すれば電圧は上昇しそうですがCCA値が低すぎます。 エンジン始動時にはたくさんの電気を一気にセルモーターへ送り込む必要があります。 高電圧が重要なのではなく、必要な電圧の電気を大電流で流し込むことです。 電圧がボルト(V) 電流がアンペア(A) この始動時にどれくらいの電気を流すことができるかの数値がCCA値です。

この車両のバッテリーの規定CCAは215 装着されていたバッテリーのCCAは35で、電圧は10V超です。 仮に充電して電圧が上昇しても、大電流をセルモーターに送ることができません。 新しいバッテリーは310CCAです。 バッテリーのチェックは電圧だけでなく、このCCAのチェックが必要です。 特に寿命を判断するのはCCAを計測する必要があります。

バッテリーを交換して始動させるとエンジンは長い眠りからすぐに目覚めました。 ガソリンタンクの燃料滲みもありません。 引き続き各部の整備をして車検に備えます。

前後ブレーキフルード交換と油圧クラッチフルードを交換します。 ブレーキフルードは吸湿性が高く、走行距離に関係なく時間の経過とともに劣化します。 吸湿率が高くなったフルードは沸点が低くなり、ブレーキ制動時にフェード現象を起こす原因となります。 走行距離に関係なく1〜2年毎に交換しましょう。

プラグも交換します。 オートバイのプラグは6000〜8000キロが交換の目安です。 素材的に自動車のように長寿命ではないのです。 うっかり交換をわすれてしまう消耗品ですが、エンジン始動ができなくなってからでは遅いのでしっかりと距離で管理しましょう。 ブレーキフルードが時間(期間)管理なのに対し、プラグは距離管理です。

車両を押し引きするとチェーンの音が気になります。 2年も乗っていなかったのでオイル切れですね。 普段は動くべきチェーンが動いていなかったので固着気味です。

見た目にはそれほど傷んでないので注油すれば大丈夫かと思いましたが、リンク部(プレートとプレートを繋ぐピンの部分)が固着気味でキンクしています。 こうなってしまうとチェーンは交換です。 見た目によろしくありませんがプレートが錆びていても、リンクがスムーズに動けば問題ありません。 逆にピカピカでもキンクしていたら交換です。

専用工具で古いチェーンをカット。 新しいチェーンと入れ替えます。

EK江沼チェーンのゴールドチェーンに交換します。 見た目のドレスアップ効果だけでなく、チェーンの錆防止にもなります。 チェーンは錆びやすいスチール製です。 プレートが錆びてしまってもリンク部が可動していれば問題ないのですが、錆は徐々にリンク部にも浸透していきます。 何よりも見た目にも美しくありません。 その錆を防止するために注油は適宜必要になります。

スチールチェーンにメッキやアルマイト処理したものがカラーチェーン。 錆びに強く、美しいドレスアップ効果もあります。 定番のゴールドやシルバー、ブラックやブラック&ゴールドのコンピカラー。 ブルーや赤、オレンジや緑、イエローなどのカラーチェーンもあります。 錆びにくいからと言ってもリンク部に定期注油は必須ですのでご注意ください。

エンジンオイルとフィルターも交換します。 オイルクーラーがあるとはいえ、真夏の渋滞だと油音は140度を超えます。 熱に強いグレード(粘度)のオイルを使います。 使用するのはミッツ・ハー公式推奨エンジンオイルのルブロス。 部分合成油でコストパフォーマンスに優れるMoto-ST 15W-50を使用しました。

タイヤの空気圧調整、可動部の洗浄と注油、灯火類の点検を終えれば車検準備OK あとは車検に合格させれば作業終了です。 この度はご用命いただきありがとうございました。

対象車両情報
メーカー・ブランド
ドゥカティ
車種
SS900
作業実績タグ

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