2025/09/05 18:49:19 更新【ウインカー故障】ホンダ ズーマー ウインカー点滅不良、リレー交換ホンダ ズーマー
ウインカースイッチの反応が鈍いということで入庫したホンダズーマーです。

不思議な症状です。 なんでもウインカーを作動させようとしても一呼吸。 スイッチを操作してから2〜3秒ほど経過してから点滅を始めるらしいのです。 最初はウインカーの電球が切れたのかなと思われたそうですが、2〜3秒ほどしてから点滅を始めるらしく、その症状は走行を開始して間もない頃に起きるらしいのです。 なんどかウインカーを操作していると反応が良くなり、通常通りに点滅するらしいです。 ウインカーが目覚めるのに時間がかかる? ウインカーを暖気させる必要がある? そんな話は聞いたことがありません。

電球は切れていません。 スイッチには反応しているんです。 だとすればリレーのトラブルでしょうか… 想像ですがリレーの動きが悪くなっており、しかしながら何度か作動させているとリレーの動きが良くなる? これが例えば内部にグリスが封入されていて、寒い朝などにそのグリスが硬くなっていて反応が悪く、何度か使用しているとグリスが柔らかくなって動く…というのは想像できます。 ただリレー内部にそんなグリスが封入はされていませんし… この車両はとっても奇麗なのですが30,000キロを超えていますし、やっぱりリレーの動きが悪くなっているのかもしれません。 とりあえずリレーを交換して様子を見てみましょう。

ウインカーリレーはフロントのハンドルの下、ヘッドライトの後ろにあるスクーターで言えばレッグシールド部にあたる個所のカバー内部にあります。 カバーを取り外すとバッテリーやCDIが納められているのが見えます。 そのバッテリーの横にあるのがウインカーリレーです。 リレーと言うのはオートバイにはウインカー以外にも使われています。 ウインカーやヘッドライト、いちばんわかりやすのはセルモーターですが、これら大きく電力が必要な装置に必要な電力を流す(電流)役割を担います。 なんでこんなことをするかというと、手元のウインカースイッチなどに大電流を流すと小さな接点に負荷がかかりすぎてしいトラブルを起こすからです。 セルモーターなんかはバッテリーと直結させて一気に大きな電気を流すくらいですからね。 手元(ハンドル付近)にあるスイッチを操作すると微弱な電力をリレーに送ります。 この微弱な電力でリレーのスイッチが入ります。 リレーのスイッチが入るとバッテリーからの直結電流などの大電流が流れると言った具合です。

ウインカーやリレーはこの通常のリレーシステムに点滅させるスイッチング回路を備えます。 ウインカースイッチを操作するとリレーに微弱な電力が流れリレーが作動するわけですが、スイッチング回路が周期的にON/OFFするようになっています。 このON/OFFや、そもそもリレーが作動する際には内部のコイルや電磁石が作動するようになっているのですが、長く使っていると例えば磁力が無くなったり内部の劣化で動きがわるくなります。 これがリレーのトラブルです。 基本的にはリレーは壊れるものだと思ってください。 壊れると言いましたが「消耗品」と捉えてもらっても良いと思います。 今回、ズーマーのウインカーの点滅が正常ではないのはこのリレーが悪いと疑ってのことです。 ただ、ウインカーリレーが壊れるとリレーのスイッチが動かなくなるので点滅しなくなったり、あるいはまったく反応しなくなるといったわかりやすい症状が現れるのが一般的なのです。 今回のように「朝は眠っているけど、だんだんと目覚めて動きがじきに良くなる」というのはあまり聞いたことがありません。

とりあえずリレーを変えたところ全く問題なく作動しています。 この状態でお客様に少し様子を見てもらうしかないですね。 明らかに壊れているものの修理はわかりやすいのですが、症状が出たり出なかったりする故障(こういうのをオバケといいます)は修理している方もスッキリしません。 修理に「祈る」という言葉を使うべきではありませんが…これで問題がでませんように…