2025/06/20 12:50:40 更新【原付オイル交換】ホンダ ズーマー エンジンオイル交換と点検ホンダ ズーマー
エンジンオイルの定期交換でホンダズーマーにご入庫いただきました。 最近、パワーダウンを感じているとのことでそちらの点検も行います。

走行200キロ未満だった車両をご納車したのが2013年。 12年が間もなく経過します。 現在の走行距離は31,500キロ。 1年平均約2600キロを走行する車両です。 年間2600キロと少ないのは駅までの近距離通勤が中心だったため。 それでもきっちりと半年毎にオイル交換を実施していたためか異音も無いとても静かで滑らかなエンジン。 何よりも外装は驚くほど綺麗でとても30000キロ超の車両には見えません。 常用回転域が高い小排気量車で、オイル容量が少なくオイルフィルターも無い原付車両。 長く乗るためには例え走行距離が少なくても半年に一度はオイル交換を実施しましょう。 125cc以下の原付車両のオイル交換は走行1500〜2000キロ毎、または半年毎を強く強く推奨します。 近距離走行が多かったため特に冬場はエンジンが暖まり切る前に停止することが多かったため、少しやわらかめのオイルを使用していました。 しかし今回は半年で2000キロを走行なさっていました。 今までの倍です。

聞いたところ最近は最寄り駅だけではなく都心へもズーマーでお出かけになることがあるとか。 近距離通勤専用車だったのが、最近ではバイパスを走行して越県して活躍しています。 その為、エンジンオイルの粘度を硬めに変更しました。 オイルの粘度は硬めの方が油膜が強くなります。 エンジンの保護だけを考えれば硬いオイルが良いのですが、近距離走行ばかりだとオイルが暖まり切らずデメリットが目立ちます。 またオイルが硬ければそれだけフリクションロスが増え(エンジンの抵抗が増え)パワーロス…つまり燃費が悪化しますし、真冬はエンジンの始動性に悪影響となることも。 お客様の使用方法お伺いしながら最適なオイルをご提案しますのでご相談ください。

まずは古いエンジオイルを抜く前に現在のオイル量を確認しまが、なんとオイルゲージにオイルが付着しませんでした。 オイル量が著しく減っていたということです。 嫌な予感がします。 今まではそんなことなかったんですが。 このところパワーダウンを感じているということでした。 大きな通りのオーバーパスなどののぼりで失速するそうです。 これだけオイルが減るということはピストンリングが摩耗し、オイルが燃焼室に染み入り燃焼している可能性があります。 定期的に燃料洗浄剤を使用しているオーナーですので幸いにも燃焼室の汚れ(オイルのねんしょうによるカーボンの蓄積)は回避できていると思いますが気になります。 何よりもパワーダウンはピストンリング(またはシリンダー)の摩耗により圧縮比が低下している可能性があります。 圧縮比をゲージで計測すると規定圧縮比12キロ対し9キロ未満です。 著しく圧縮比が低下していました。 どうやらやはりピストンリングが摩耗しているようです。

とりあえず法定速度での走行は問題ないのですが、ゆくゆくはピストンリングの交換が必要になりそうです。 30000キロを超えているとはいえ、オイル管理はしっかりされている車両だったのに以外でした。 しばらくはオイルの油量は小まめにチェックしていきましょう。 1〜2ヵ月程度で補充が必要になる状態なら早めに修理が必要となりそうです。 奇麗だし、エンジン自体は静かですからぜひ修理して長く乗っていただきたいですね。 今後もサポートしてまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。