2025/07/12 17:08:58 更新【スクータータイヤ交換】ヤマハアクシストリート オイル交換とタイヤ交換ヤマハ AXISトリート
他店で購入された車両ですが、タイヤ交換とオイル交換のご用命でご入庫いただきましたヤマハの原付(125cc)スクーター アクシストリートです。

転居などで今まで利用していたショップに通えなくなり、定期整備先を探している間にタイヤも摩耗してしまったそうです。 まずはエンジンオイルを交換します。 オイル容量が少なく、オイルをろ過するフィルターも備えず、常用回転域の常に高速で稼働している原付(125cc)のエンジンオイルは大排気量より遥かに劣化します。 少し早いと思われがちですが、長く乗り続けるためには1,500〜2,000キロ毎、または半年毎のいずれか早い方で定期交換しましょう。 特に1回あたりの走行距離と時間が短い方のオートバイのエンジンはシビアコンディションに該当します。 あまり乗ってないからオイル交換をしなくても大丈夫だろ…というのは大間違いで、あまり乗ってないからこそ頻繁なオイル交換が必須です。

エンジンオイル交換を終えたらタイヤ交換です。 今回は前後のタイヤを交換します。

後ろのタイヤは中央部分の溝がすり減っているのが一目瞭然です。 前のタイヤの溝はまだ余裕がありますが、経年劣化でタイヤのゴムが硬化していますし、紫外線の影響で細かなひび割れも見られます。 いきなりコーナーリング中にスリップして転倒ということは無いと思いますが、ゴムが硬化するとどうしても急激なアクションによって破綻しやすくなります。 急ブレーキ時には滑りやすいので停車までの距離(制動距離)が伸びますので、急な飛び出しがありそうな住宅街の路地などは徐行が必須。 大きな通りも車間距離をとる必要があります。 コーナーリング中に強くブレーキを掛けたり、急激にラインを変えるなどの動きでもスリップして転倒しやすいので注意。 こんな心配をしながら走るくらいなら交換したほうがベターですね。

現在装着されているのは純正のチェンシン。 台湾のメーカーで製造は中国。 グループとしては二輪タイヤだけでなく、自転車用タイヤから自動車用まで幅広くラインナップ。 コストパフォーマンスに優れ、近年は新車にもメーカー採用されるタイヤです。 そのチェンシンから交換するのはIRCタイヤ。 日本の井上ゴム工業製のタイヤです。 日本のタイヤブランドというとブリヂストンやダンロップ、ヨコハマ、トーヨータイヤを連想される方が多いかと思いますが、このうち二輪タイヤを製造しているのはブリヂストンとダンロップの二社。 IRCは自動車用タイヤを作っていないので、オートバイに乘らない人には知られていないメーカーですがブリヂストンやダンロップに肩を並べる2輪タイヤメーカーです。 昔はヨコハマも2輪タイヤを展開していたのですが撤退してしまいました。 良いタイヤだったんですけどね…

比較的コストパフォーマンスに優れるIRCですが、2輪専用(自転車用も作っています)だけあり良いタイヤを作っています。 ほとんどが日本製と言うのも特徴ですね。 最近は特に原付クラスのタイヤは海外製造というのも珍しくありませんが、IRCは国内の向上で製造しています。 もちろん海外にも製造拠点があるのですが、国内に流通させるIRCタイヤは日本製が多いですね。 日本製に拘るならIRCおすすめです!

スクーターのリアタイヤ交換はマフラーを外して作業します。 オイル交換のためにエンジンを暖めていたため、マフラーも熱くなっています。 前輪の交換とオイル交換作業を先に行っていたのでマフラーも冷めた頃なのですが、一応やけどには注意しながら作業をすすめます。

マフラーを取るとスイングアームがありますのでこれも外します。 ちなみに50ccスクーターにはほとんど見られないスイングアームですが、50cc超のスクーターだとスイングアームの有る車両とない車両が混在しています。 125cc超ならほぼあるはずです。

マフラーとスイングアームを取り外したらいよいよ車体からホイールを外します。 外すと普段は目にする機会のないリアブレーキ部分などを見ることができます。 タイヤ交換だからといってタイヤ交換だけをするのではなく、こういうときでなければ見られないブレーキやシャフトなどを点検します。 必要に応じて洗浄やグリスアップ、部品交換を行います。

ホイールからタイヤを外し、新しいタイヤを組みます。 この時、チューブレスバルブ(空気を入れる部分)も交換しましょう。 一般的なスナップインバルブと呼ばれるものは根元がゴム製です。 タイヤと同様に紫外線や風雨の影響でゴムが劣化します。 硬化し、ひび割れてきます。 空気圧を点検/調整するときなどに力が加わると根元から折れてしまうことも珍しくありません。 折れたらその場で空気が抜けて走行不能… パンク修理ではなく、スナップインバルブ交換をしなくてはいけないのです。 スナップインバルブはホイールからタイヤを外して作業…つまりタイヤ交換と同じ手間がかかるのです。 それならタイヤ交換時には同時に交換しておきましょうということです。

オイル交換と前後タイヤを交換し、その他各部を点検。 最後に車両各部を直接手で触れて部品のゆるみや欠品、脱落などを点検しつつ洗車をして作業終了です。

今回使用したタイヤはお客様ご指名でIRCのMB520をご用意しました。 日本メーカーのIRC、ブリヂストン、ダンロップ、シンコーはもちろん 欧州のミシュラン、ピレリ、メッツラー、AVON、コンチンタルもご用意可能。 コスパだけでなく性能もこのところ急上昇しているアジアンブランドのチェンシン、ティムソン等、さまざまなタイヤをご用意できます。 お客様のご予算とオートバイの使用用途をお伺いして最適なタイヤをご提案しますのでお気軽にお問い合わせください。
