2025/06/20 12:31:56 更新【原付タイヤ交換】ホンダ ズーマー タイヤ交換ホンダ ズーマー
他店で購入された車両で初来店のホンダズーマーです。 パンクで入庫されましたが、前後のタイヤを見るとひどい摩耗でパンク修理不可能。 前後ともタイヤ交換をおこないます。

異物が刺さって空気が抜けるのが一般的なパンクですが、こちらの車両はタイヤが摩耗し過ぎて空気が抜けています。 走行中にバースト(タイヤが破裂したり裂けたり)することでもあれば大きな事故になりますし、何よりも雨天走行やブレーキ時にスリップしやすい状況ですので危険でした。 結局走行中に空気が抜けて、ペチャンコになったタイヤで押してくるのは大変だったことでしょう。 こうなるもっと前に交換すべきでした。 タイヤの点検ですが1ヵ月に1度はタイヤの空気圧を点検しましょう。 一般的に1ヵ月で5〜10%程度空気圧は減ります。 但し、季節によって変化があります。 空気は熱で収縮、膨張しますので例えば夏に空気圧を調整すると、秋から冬へと向かう季節は気温がさがるとともに空気圧も著しく低下するのです。 逆に冬に調整すると春から夏へと気温が上昇すると、タイヤの空気も膨張して空気圧は増えることがあります。 空気圧は増えても減っても編摩耗の原因になりますので定期的に点検してください。 うっかりわすれても2ヵ月に1度は点検を実施しましょう。

空気圧を点検する際はタイヤを近くで見ることになります。 このときに摩耗状況やパンク(異物が刺さっている)等の点検もできます。 タイヤには「スリップサイン」というタイヤの摩耗限界を知らせる部分があります。 溝の一部が浅くなっており、その部分が露出したら要交換です。 スリップサインの見方がわからない方はお気軽にお問い合わせください。 こちらの車両はスリップサイン…どころか路面と接触するためのゴム部が消失し、内部構造が露出しています。 路面と接触する部分と、それ以外の部分ではゴム質がことなりますのでこの状態では急ブレーキ時に短距離では停止できなくなっていたはずです。 タイヤは命を乗せている…とは有名な某タイヤメーカーのコピーですが、自らの命を乗せているだけでなく、周囲の人を巻き込む事故を招きかねないのが摩耗したタイヤです。 くれぐれも注意しましょう。

リアタイヤはご覧の通り、フロントタイヤもツルツルです。 どちらも主に右側が減っています。 これは日本が左側通行だからです。 道路はセンターライン付近をピークに、路肩へ向かって下っています。 センター部分が高く、路肩が低いということは道路は左下がりになっているのです。 オートバイは直進時には垂直で走ります。 すると左下がりの道路ですからタイヤの右側が主に路面と接触することになります。 その為、右側が減りやすいのです。

スクーターのリアタイヤ交換時にはマフラーを外して作業します。 ホイールを車体から取り外すと普段は目にすることのないブレーキやドライブシャフトが見えます。 普段は目にすることのできない箇所ですから必ず点検します。 ブレーキダストで汚れている場合がありますので清掃し、ドラムブレーキシューのカム部やドライブシャフトのグリスアップも行います。 フロントタイヤ交換時にも同様にブレーキ部の点検整備とアスクルシャフトの研磨・グリスアップを必ず実施します。

タイヤをホイールから外し、新しいタイヤを組む前にはチューブレスバルブも交換。 タイヤの空気を入れる部分です。 一般的なスナップインバルブは根元がゴムです。 従って経年劣化でゴムが劣化し、力が加わると折れることがあります。 特にバルブが劣化しているときの空気圧点検時は注意が必要です。

このバルブが折れると空気は一気に抜けます。 バルブ交換のためにはタイヤ交換と同様の作業が伴います。 つまり手間がかかるわけです。 トラブル防止と余計な手間をかけないためにタイヤ交換時には必ずこのスナップインバルブも交換します。

前後交換すれば今回の作業は終了。 今後は定期的にタイヤの点検を実施してくださいね。 ご用命ありがとうございました。