リッターSSでは持ち得ない
フレンドリーな資質
近年の250cc市場で人気を集めているSSは、一般的にはエントリーユーザー向けと考えられている。でも今回の試乗のように、リッターSSと同条件で比較を行ったら、250SSに軍配を上げるライダーは少なくないだろう。車重の軽さ、良好な燃費、維持費の安さ、意外にスパルタン度が低いライポジ（上半身の前傾だけではなく、ヒザの曲がりも緩やか）、気軽に全開にできるエンジンなど、250SSにはリッターSSでは持ち得ない、数多くの魅力が備わっているのだけれど、僕自身が今回の試乗で最も感心したのは守備範囲の広さ。真価が発揮できる場面がある程度限定されるリッターSSとは異なり、250SSはどんな場面でもスポーツライディングが楽しめるのだ。
HONDA
CBR250RR
新車価格●80万3000円～
中古相場価格●53.6万～90万円
‘17年から発売が始まったCBR250RRは、現代の250SSで最も運動性能を真摯に追求したモデル。と言っても、日常域での扱いやすさはきっちり確保されているのだが、ワインディングやサーキットではライバル勢を上回る加速や剛性感が満喫できる。スロットルはクラス唯一のライドバイワイヤ式で、エンジンモードは3種類を設定。
※〈 〉内はABS仕様
| 全長×全幅×全高 | 2065×725×1095（mm） |
| シート高 | 790mm |
| 車両重量 | 165〈167〉kg |
| エンジン形式 | 水冷4ストロークDOHC4 バルブ直列2気筒 |
| 総排気量 | 249cc |
| 最高出力 | 28kW【38PS】／12500rpm |
| 最大トルク | 23N・m／11000rpm |
| 燃料タンク容量 | 14L |
| ブレーキ形式 | F：油圧式ディスク、 R：油圧式ディスク |
| タイヤサイズ | F：110／70-17、 R：140／70-17 |
現在の250SS用タイヤはバイアスとラジアルが混在。いずれのタイヤもリッターSS用と比較すると、価格が安くてライフが長い。
一昔前は正立式が主力だったものの、近年の250SSでは剛性向上を実現するため、倒立式フォークを採用するモデルが増えている。
エントリーユーザーを考慮した250SSは、足つき性が非常に良好。公称シート高はリッターSSより40mmほど低い780～790mm。
一般的な体格の成人男性なら、250SSの取り回しは楽々。車重は170kg前後だから、ヒヤッとする場面に遭遇しても大丈夫？
SUZUKI
GSX-R125 ABS
近年は125ccクラスでもSSが流行中。この分野で絶大な人気を集めているのが、最高出力15ps、車両重量134kgのGSX-Rだ。
新車価格●39万3800円
中古相場価格●24.9万～42.9万円
現行ニーゴーSS カタログ
KAWASAKI
Ninja 250
250SSブームの火付け役となったニンジャ250は、今年で11年目を迎える長寿車。現行モデルは兄貴分の400と基本設計を共有。
新車価格●65万4500円
中古相場価格●25.6万～70.2万円
YAMAHA
YZF-R25
‘19年型で2代目に進化したR25は、YZF-R1の技術を転用した新型フェアリングを導入。ライポジやFフォークも見直しを受けている。
新車価格●61万500円～
中古相場価格●20.9万～59.8万円
※中古車相場価格はグーバイク調べ（2019年10月）。
