バイクには、カタチやエンジン形式によって、寒さに強い機種とそうでもない機種があるってホント?
だとしたら、冬は暖かいバイクを選んで乗れば、防寒対策にもなる気が・・・。
ちょっとの差のようだけど
比べればわかる大きな差!
ベテランライダーたちの間では、「カウル付きのバイクは暖かい」というのは、もはや常識。それが本当ならば、冬はカウル付きに乗るほうがいいということになる。そこで、同じような排気量の2機種を使って、改めて実験ツーリングをしてみた。
使用したのは、ホンダのCB1300スーパーボルドール(以下SB)とCB1100。SBは、ネイキッドのスーパーフォアにハーフカウルを装着した水冷4気筒車。CB1100は、美しいスタイルにこだわった空冷4気筒ネイキッドだ。
東京の最低気温が10度以下に低下したとある朝、編集部の土山をともなって出かけたのは、一般道と高速道路を使った往復300kmほどの日帰りツーリング。途中でバイクを交代しながら、その寒さの差を体験してみようというわけだ。
すると朝イチの車種選択時、土山は「SBのほうが重くて大きいから、田宮さんは運転が楽なCB1100をどうぞ!」なんて、そそくさとSBにまたがってしまった。むむっ、なかなかやりおる・・・。
とはいえ土山は、いつも薄着でバイクに乗るタイプ。高速道路を30分も走れば、すぐに寒さで「休憩しましょう」と言い出すはず。そのときにマシンをチェンジすればいい・・・なんて考えながら、僕はCB1100のカギを受け取った。
ところが土山は、まるでパーキングエリアに立ち寄る様子もなく走り続ける。一方で僕のほうは、高速巡航でどんどん体温が奪われていくのがわかるほど。徐々にアクセルを開ける手が緩んでペースダウン・・・。そして土山ともはぐれてしまった。
結局、彼と合流したのは、出発から1時間後のパーキングエリア。到着すると、ヤツはなんとソフトクリームを食べていた!僕は、見ているだけで寒さが増しそうな土山から離れ、まだ熱をたっぷり持つCB1100のエンジンに寄り添ってホットコーヒー。着ている服は同じような仕様だし、僕が極端に寒さに弱いわけでもないのに、カウルがあるSBとネイキッドのCB1100では大きな違いとなった。
そこでその先の行程では、ふたりでバイクを交換。すると走りはじめた瞬間から、防風効果がまるで異なることがわかった。SBはハーフカウル仕様で、そこに装着されたスクリーンもかなり小さめだが、意外なほどプロテクション効果は高い。身長167cmの僕が普通のライディングポジションで乗ると、首から下に当たる走行風は大きく削減され、さらに太もも付近に感じる風の量も少ない。そして、ほんの少しだけ伏せれば、ヘルメットの頭頂部までを走行風から守ることができた。
浴びる風が少なければ、当然ながら体感温度は下がりづらい。ハーフでも、やはりカウルは偉大だった!