
ストリートを発祥とする日本のカスタムバイクシーンで、草分け的存在と言えるのがオトキチでありカミナリ族だ。レーサーのディテールを市販車に持ち込み、スピードを求めた彼らのスタイルは今見てもスパルタンだしクール。当時世界最先端だった欧州車に比べると、少し野暮だった日本車も、ひと手間加えれば見違えるほどカッコ良くなる。
ここで紹介するのは、当時のカスタムの中でも正統派のクラブマンレース・スタイルだが、そこに“当時なりのヤンチャ感”を加えると、すぐにカミナリ族スタイルに変身できる。当時の空気を再現するなら、60年代の資料はぜひとも読んでおきたい。

上は浅間火山レースをイメージしたYDS、右は欧州的カフェのエッセンスを取り込んだT250。どちらも低いハンドルにシングルシートをセットした“攻めのポジション”がポイントだ。


'69新宿カミナリ族はいま……
カミナリ族を目指すならコレ
60年代後半の新宿副都心を舞台に、バイクに青春をぶつけたカミナリ族たちの姿を追ったドキュメンタリー写真集。個性的なファッションで過激な改造を施したバイクに跨り、スピードの虜になった彼らの写真は今見ても非常に新鮮。カスタムの参考にもピッタリの資料だが、現在は絶版で入手するのはなかなか難しい。見つけたら即買いの一冊。
第三書館刊/ 1980年発売/※現在は絶版
写真提供/ ROOSTER http://www.rooster-mc.com/