2023/11/20 18:59:08 更新【原付スクーター】ベルト交換、ヘッドライトソケット・バルブ交換ホンダ Dio
個人売買で最近手に入れた車両が故障したとのことで修理のご依頼です。 著しく改造されている車両はお断りすることがありますので、他店で購入された車両などの修理や整備のご依頼はお電話でお問い合わせください。


エンジンはかかるものの、まったく駆動力が(突然)なくなってしまったとのこと。 スクーターはカバーされていて見えませんがエンジンの力をベルトで後輪に伝えています。 そのドライブベルトが破損すると走ることができません。 この油だらけのカバーの中にベルトがあります。 本当はこの油漏れの原因となるキャブレターの分解整備もしたいところですが… いくら個人売買でもこの状態で人に譲るというのはどうなでしょう? オーナーは免許取得したてで、これが問題とは気づかれていなかったようです。 初心者に譲るのであればベルトも交換しておいてあげればいいのにな…と、余計な言葉を飲み込んで作業をすすめます。


カバーをあけるとケース内でやはりベルトが破断していました。 交換です。 破断したベルトの破片や、摩耗した際に発生するダスト類を奇麗に清掃します。



ベルトとセットで交換するのはスライドピースとウェイトローラー。 この二つの部品は車速とエンジン回転数に応じてつねに滑っています。 滑っていれば当然ながら摩耗します。 偏摩耗するとスムーズは変速や加速をしてくれません。 スクーターは無段変速のオートマチックですが、スムーズに変速しなくなると常にローギヤで走ったり、逆にハイギヤでスタートするはめにもなります。 ベルト交換時には必ずセットで交換します。


交換をしない各部品は清掃して組み上げます。 原付スクーターのベルト(ウェイトローラー、スライドピース)の交換はオートバイの走行環境によって異なります。 12000〜18000キロで交換が推奨されますので、早め早めに交換しましょう。

もうひとつの修理。 ヘッドライトが付いたり消えたりするとのこと。 電球が切れかかってるとそうなることがあります。 こういうこときは既に切れていると判断して、一時的にハイビームへ切り替えて走行しましょう。 基本的にはロービームの使用頻度が高いためロービームから切れるため、ロービームが切れてもハイビームは点灯するはずです。 ただこちらの車両はハイビームも点灯しません。 お客様に聞くと「前所有者がハイビームになるとライトが消灯するようにスイッチを改造したそうです」とのこと。 なんででしょう? バッテリー消耗を抑えるため? でも違法改造ですよね…

結論としてはそんな改造はされていませんでした。 ヘッドライトソケットのハイビーム側の接点が脱落していただけです。 人為的に改造した形跡もありませんでした。 オークションなどで知らない人との売買された車両の場合は説明と異なる不具合が発覚することも珍しくありませんが、お知り合いからの売買では珍しいケースです。 お知り合いとの今後の関係が気になることころですが、バイク屋としてはその部分は直すことができませんのでノータッチです。

ヘッドライトバルブ(電球)も適合しないサイズのものが無理やり装着されていました。 これが原因でライトが点いたり消えたりしていたようです。 適合しないものバルブのツメを無理に曲げて納めていまいた。

正しい形状のバルブに交換します。 ソケットも新しいものに替えましたのでハイビーム/ロービームとも問題なく点灯するようになりました。 今回はお知り合いとの個人売買でしたが、某オークションなどで取引されるオートバイは今回のような例はまったく珍しくありません。 確かに安く購入できますが、そのようなことがあるということを前提で取引されるようにしてください。 また、オークションで購入された車両は実際に修理をすると予定よりも大幅に費用が増えてしまうことがあります。 今回のように分解してみると不具合が見つかるためです。 当店でご納車させていただいた車両以外の修理や整備もお受けしますが、このようなことがあることを予めご承知おきいただけましたら幸いです。