まるごと。わかる歴代の代表的SR400

まるごと。わかる歴代の代表的
SR400

間もなく生誕40周年

初代SR400は1978年に発売された。ビッグオフローダーのXT500をベースとする手法により、スリムでシンプルな車体にビッグシングルを搭載した新ストリートスポーツという位置づけだった。

翌年、キャストホイールの採用が解禁になると、SR400もこの流れに沿ってSPにモデルチェンジ。これ以降、フロントドラムブレーキへの一時回帰や燃料供給のフューエルインジェクション化など、40年という長い時間の中で数々の熟成と変更が加えられながら、その歴史を刻んできた。そのため、これまでアニバーサリーモデルも多く販売された。

しかし、時代や市場ニーズに対する多少の適応はあっても、SR400はこれまでその根幹に大きく手が加えられることがなかった。399cc空冷単気筒のエンジンは、初代から一貫してキック始動にこだわり、一部をオイルタンクとして使用する鋼管フレームの構造も、初代からこれまでほとんど変わらない。

静かにデビューした初代

1978年型
中古相場価格●60万円

1978年型

XT500のエンジンと車体がベース。ストロークダウンにより399cc化した空冷単気筒エンジンを積む。500はアップハンドルでシートカウルレスだったが、400はコンチハンでシートカウルを備える。

キャストホイールのSPに変更

1979年型
中古相場価格●30〜128万円

1979年型

キャストホイールの装着が解禁化されたことから、スポーツモデルとしてのルックスを増すために7本スポーツデザインのキャストホイールを採用したSR400SPにチェンジ。

スポーク仕様が限定発売

1982年型
中古相場価格●――

1982年型

3000台の特別限定モデルとして、スポークホイール仕様のSR400が発売に。ハンドルはアップタイプで、シートは初代500と同様のカウルレスタイプが装着されていた。

各部改良とスポーク仕様レギュラー化

1983年型
中古相場価格●19〜60万円

1983年型

スポークホイール仕様がレギュラーモデルとしてラインアップされ、SP仕様と併売に。フロントフォークのセミエアタイプ化やエンジンの熟成など、各部改良も施された。

大幅な改良で前ドラムの2代目に

1985年型
中古相場価格●15〜50万円

1985年型

前ブレーキがドラムタイプとなり、フロントフォークにはブーツを装着。前輪は19→18インチ化され、燃料タンク容量増やステップ位置の見直しなども実施された。

質感向上のマイチェン

1991年型
中古相場価格●12〜70万円

1991年型

1988年には、吸排気系を中心としたパワーユニットを熟成。さらに1991年秋には、通常の数倍もクリア仕上げを重ねた塗装や、ツートーンシートなどを採用して質感向上。

マルーンの特別カラーが登場

1992年型
中古相場価格●――

1992年型

特別色のミヤビマルーンに、通常の数倍となるクリア層を持つミラクリエイト処理を施した、スペシャルエディションが登場。1000台の限定バージョンとして販売された。

電装関連などがアップデート

1993年型
中古相場価格●17〜73万円

1993年型

ハザードランプスイッチや荷掛けフックの追加、ヘッドライトの常時点灯化、MFバッテリーの新採用などで、熟成が図られた。CDIユニットやイグニッションコイルも改良。

シートのベルトや速度警告灯を廃止

1994年型
中古相場価格●11〜85万円

1994年型

日本国内における規制緩和に対応して、タンデム用となるシートのベルトが廃止され(グラブバーは以前から標準装備)、速度警告灯はオプション設定となった。

外装を手作業で仕上げる限定のSR400S

1995年型
中古相場価格●21〜31万円

1995年型

熟練した職人が1日に20台を手作業で仕上げる、ぼかしが美しいサンバースト塗装を採用した、リミテッドエディションのSR400Sが登場。厚いクリア層が特徴のミラクリエイト塗装も施してある。2000台の限定だった。

ライディングポジションも見直し

1996年型
中古相場価格●11〜74万円

1996年型

ステップ位置を再び前方に移動し、ハンドル形状も見直して、ゆったりしたライポジに。燃料タンクも再び小型化された。前ブレーキや前後ホイールなどの細部も熟成。

20thアニバーサリーモデルを限定発売

1998年型
中古相場価格●27万円

1998年型

SRシリーズの発売20周年を記念して、初代のカラーリングを復刻したバージョンが予約期間限定で発売された。リアフェンダー用エンブレムとキーホルダーが付属。

環境規制対応&ディスクブレーキ

2001年型
中古相場価格●10〜78万円

2001年型

前ブレーキが、片押し2ポットキャリパーを使用したディスク式に。レスポンス性に優れるキャブレターを採用し、前後サスセッティング変更や排ガス浄化も施された。

騒音対策とイモビ装備など

2003年型
中古相場価格●18〜49万円

2003年型

キャブレターがスロットルポジションセンサー付きとなり、マフラー内部構造の変更などで、当時の騒音規制に対応。盗難抑止イモビライザーが標準装備となった。

25thアニバーサリーモデルも登場

2003年型
中古相場価格●19〜55万円

2003年型

SRの発売25周年を記念する、予約期間限定の500台リミテッドエディションが登場。サンバースト塗装、初代500風のシート、真鍮製の音叉マークエンブレムなどを採用。

ヤマハ創立50周年記念モデル

2005年型
中古相場価格●25〜36万円

2005年型

ヤマハ発動機の創立50周年を記念し、初代をイメージしたカラーリングを持つスペシャルエディションが500台限定で発売された。クランクケースなどはバフ処理で質感向上。

質感の高い30thアニバーサリーモデル

2008年型
中古相場価格●21〜35万円

2008年型

SRシリーズの30周年を記念したモデルは、500台の限定。人気のサンバースト塗装に、初代500風のタックロールシートや専用メーターパネルの組み合わせでクラシカルに。

FI化で厳しい環境規制に対応

2009年型
中古相場価格●26〜71万円

2009年型

生産終了のウワサもあったが、燃料供給のインジェクション化と点火系の刷新、排気系の改良などで、厳しい排ガス規制に対応。クラッチやメーターなども見直された。

35thアニバーサリーモデルも限定車

2013年型
中古相場価格●34〜50万円

2013年型

SR生誕35周年を記念した受注期間限定モデルは、ボディとフレームを専用色とし、ツートーンシートなどを備えながら、通常より価格が引き下げられた。

生産終了前最後のカラーに

2014年型
中古相場価格●30〜67万円

2014年型

カラーバリエーションが見直され、ブラックのメーター文字盤や金属調のエンブレムなどを新採用しながら、新車価格が引き下げられた。このモデルは2017年に生産終了となり、現在は在庫車のみ新車購入できる状態。次期モデルの登場時期は未定。

初代から2000年まで
SRシリーズには500もあった!
SR500

中古相場価格●19〜80万円

1978年の発売当初、SRシリーズには400とほぼ共通の車体を採用した上位モデルのSR500も設定されていた。SR400のエンジンは、1976年に発売されたビッグオフロードモデルのXT500用をショートストローク化して設計されているが、SR500のエンジンはXT500用により近い構成となっている。SR500は、輸出用としての役割も担った。

SR500

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2017年11月)。

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