
SR400は、超が付くほどのロングセラーモデル。1990年代中盤には爆発的なヒットも記録したが、それ以上に驚くべきは、これまでコンスタントに販売台数を記録し続けてきたところである。いつの時代にも、たくさんのSRファンがいるのだ。 約40年という期間を考えると、SR400の総販売台数はそれほど多くないのだが、カスタムベースとしては非常に高い人気を維持しているため、カスタム例は超豊富。オーナーズミーティングなどで情報を交換したり、他人のカスタム手法を参考にしたりすることも簡単なのだ!
2000年以降の新車登録台数を見ると、たしかに右肩下がりの傾向ではあるが、前年に対して一気に大きく落ち込むようなことはほとんどなく、ときには前年比プラスを記録しながら、販売が続けられてきたことがわかる。FI化された2010年以降はマックス1500台程度の販売台数で、2017年には生産終了モデルとなったが、ヤマハは次期モデルを開発することも明言している。 カスタムベースとして人気が高いと、当然ながらアフターマーケットパーツのラインアップも豊富になるので、自分好みのスタイルを確立しやすい。さまざまなライフスタイルやファッションとの親和性に優れるところも、SR400が支持され続けた理由のひとつ。 SR400には、ふたつのブーム期がある。ひとつは1980年代前半。バイクブーム到来で高性能化が加速する中、シンプルなSR400は逆に注目を集めた。もうひとつは1990年代中盤。こちらは、レーサーレプリカの人気が陰り、ネイキッドブームを経てクルーザーやストリートモデルが注目を集めた時代で、1996年にはSRシリーズ史上最高となる9000台近い販売台数とされる。 しかし、そんなふたつの絶頂期を過ぎたあとも、SR400はラインアップに残り続けてきた。そこには、ブームとは関係なくSRを支持する一定数のユーザーが存在し続けているという背景も大きく影響している。 スタンダードが持つ味わい深い乗り味やスタイリングに対する高評価もさることながら、クラシック系カスタムベースモデルの大定番となっていることからアフターパーツが群を抜いて豊富な点や、オーナーズミーティングなどでユーザー同士が情報交換できる場が多いことなども、コンスタントにファンを獲得する要素となっているようだ。 多そうでじつは少ない!? SR400の直接的ライバルHONDA CB400SS2001年秋に発売。エンデューロモデルのXR400R用をルーツとする、ドライサンプ潤滑方式の397cc空冷単気筒エンジンを搭載し、初期型はキックのみの始動方式。2003年末のマイナーチェンジで、セルスターターも搭載された。2008年に生産終了となっている。 KAWASAKI W4001960年代名車をモチーフとするW650をベースに開発された、399cc空冷バーチカルツインエンジンを搭載したネオクラシックモデル。2006年に発売が開始されたが、環境規制強化の影響からわずか2年後の2008年に生産終了となった。キックスターターは省略されている。 長年にわたり、ひとつの大きなブランドとして認知されるほどのレベルで、日本のバイク市場に君臨してきたSR400。これに対して、国内のライバルメーカーが対抗するようなモデルを販売することもあった。 この20年で、SR400をもっとも強く意識したモデルとして考えられるのは、ホンダのCB400SS。空冷単気筒エンジンを搭載し、2001年の発売当初はキック始動のみだったことからも、SR400の対抗機種であることがうかがえる。あるいは、1997年に発売されたスズキのST400Vテンプターも、同じく400クラスの空冷単気筒エンジンを積み、SRのライバルとされた。 あるいは、400クラスのクラシック系ということに枠を広げると、空冷並列2気筒だがカワサキのW400も、SRのライバルということになるかもしれない。 しかしいずれにせよ、ライバルは少なめだ。これもSRの長寿につながっているかも!? ※中古車相場価格はグーバイク調べ(2017年11月)。 |
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