
見て楽しめ、見られて優越感にひたれるバイク、それがホンダのVT1300CXだ。21インチホイールをロングフォークで支え、ハイネックでステアする伸びやかで美しいスタイリング。北米で人気のニュースクール系カスタムを意識したものだが、市販車でここまで作り込まれたものは少ない。
大柄に見えるポジションは174cmの乗り手がまたがると手足が伸びきることはなく、低く手前に引かれたハンドルも操作しやすい位置にある。ロングフォークの乗り味は比較的素直なもので、Uターンや駐車場に入る際などの低速時こそハンドルの切れ込みを若干感じるが、日常速度域では高い直進安定性を発揮する。
搭載するのは水冷SOHC3バルブエンジンで、Vツインの荒々しさよりも、効率のいい燃焼によるきれいな回り方を感じるホンダらしいユニット。とはいえ89.5×104.3mmのロングストロークエンジンは、低速からの粘り強さとトルクに任せたダッシュ力が気持ち良く、しっかりと消音されたなかにも確実な鼓動感がある。
コンバインドABS装着車も選べ、ホンダらしい高機能も味わえるカスタムクルーザーである。