これまでウルトラ クラシック エレクトラグライドを頂点にしてきたツーリングファミリーに、エレクトラグライドウルトラ リミテッドが加わった。その一番の関心事は、シリンダーボアを3.1mm広げ、排気量を1584ccから1689ccへと上げたツインカム103エンジンの搭載だ。その乗り味は、とくに低速でのトルクの厚さにフル装備のツアラーとは思えない軽さが感じられる。そして、ツアーバッグ上にラゲッジラックを備えるなど充実装備の車体を、見る角度によって表情を変えるペイントで包み込む。なるほど、リミテッドを語るだけの内容だ。
1970年代半ば、カスタムフェアリングの第一人者、クレイグ・ベッターが製作したリベレーター・フェアリングは、後にハーレーがリリースすることになるツアーグライドのルーツとも見て取れる。ロードグライドのフレームマウントのフェアリングは、そこから派生したものだ。そんな歴史を下敷きにしたロードグライド カスタムは、オリジナルの良さを大事にしつつ、ホットロッド的文法でまとめた1台。わずかに落とされた車高と、扁平タイヤが生む軽快性とが相まって、ツーリングファミリーのなかでは、ハンドリングマシンとして君臨する。オーディオも標準装備。