2025/03/30 15:42:12 更新【メインスタンド交換】ヤマハ Vinoモルフェ エンジンオイル交換、レバー交換、メインスタンド交換ヤマハ ビーノモルフェ
整備と修理でヤマハの原付スクーター Vinoモルフェ にご入庫いただきました。 エンジンオイル交換とブレーキレバー交換、メインスタンド交換をおこないます。

まずはエンジンオイルの交換です。 常用回転域の高い小排気量車は常に油膜切れのリスクを伴います。 エンジンパワーの大きなオートバイより、パワーの小さな小排気量車こそオイル管理は重要です。 排気量が小さいゆえにパワーが小さく、結果的に高回転化することにより不足するエンジンパワーを稼いでいます。 市街地での常用エンジン回転域は普通乗用車の概ね3〜3.5倍程度だと思います。 それだけ高速で動いているエンジン。 当然、エンジン内部の金属を保護するための油膜は強くなくてはいけません。 自動車用エンジンオイルだと高回転のオートバイのエンジンの保護には役不足です。 オートバイにはオートバイ用のオイルを使いましょう。

125cc以下の原付車両の場合、常用回転域が高いだけでなくオイル容量が少ないという問題とオイルフィルターを備えていないという問題を抱えています。 エンジンオイルは金属を油膜で保護しながら潤滑させる潤滑材としての役割の他、エンジンの冷却や洗浄と言う役割を担います。 小排気量の場合、エンジンの発熱量は多くないのでそれほどオイルに負荷はかかりません。 問題は先の潤滑(油膜の強さ)と、洗浄についてです。 大きな排気量だとオイルフィルターが備わっています。 主にペーパーのろ過フィルターで、エンジン各部を循環するオイルは必ずこのフィルターを通してろ過されます。 オイルは燃焼室で発生するカーボン(スス)や金属粉を吸着し洗浄していますが、小排気量はフィルターが無いので汚れるとその汚れと共にエンジンを循環してしまうのです。 しかもオイル量はわずか700cc程度。 小排気量車こそ、早めのオイル交換を実施しましょう。 1500〜2000キロ毎、または半年以内の交換が推奨されます。

オイル交換と同時にブレーキレバーの交換です。 左のレバー…リアブレーキのレバーです。 ご覧の通り曲がっています。

停車中に車両が横転…いわゆる立ちごけしてしまし、曲がったそうです。 純正部品にて対応します。

レバーの軸となる部分(ピボッド部)にしっかりとグリスを塗布して交換します。 この部分はときどき洗浄し、新たに注油(またはグリスアップ)することをおすすめします。 ブレーキ操作が軽くなりますよ。

こちらの車両、正面から見ると左に(向かって右側に)傾いているのがわかりますか? メインスタンドが曲がってしまっているのです。 オイル交換、ブレーキレバー交換後にこのメインスタンドを交換します。 このスタンドが曲がる症状、実は比較的よく見かけるトラブルです。 こうなる主な理由はふたつ。 ひとつはセンタースタンドをかけたまま車両に乗って(体重をかけて)車両の上で動いたりすることによりスタンドに無理がかかって曲がるパターンです。 比較的お若い方に多いトラブルです。 スタンドは車両を支えるために作られており、更にその上に人の体重がのったときに耐えられるようには作られていません。 スタンドが曲がるだけなら交換すればよいのですが、時にはスタンドを装着している箇所…車種によりますがエンジンの一部やフレームの一部が曲がってしまうことがあります。 こうなると基本的には修理不能です(方法が無いわけではないですが手間がかかります) スタンドをかけたまま跨り、その上で動いたりしないように注意しましょう。

もうひとつは車体を傾けたままスタンドをかけるという行為。 比較的小柄な方や、非力な女性に多く見られます。 サイドスタンドと異なり、センタースタンドは脚が2本です。 2本の脚が地面に接地するのですが、主に左側の脚が外側に広がってしまうのです。 こうなるとスタンドをかけても車体が左に傾いてしまいます。 本来は左右とも地面に接地している状態でスタンドは使用します。 しかし小柄な方や非力な方は車両を自分の身体に近づけてスタンドをかけようとします。 車体を少し左にかたむけたままスタンドをかけるのです。 車重を本来は左右の脚で受け止めるはずのスタンドですが、左側だけに重量がのってしまうと曲がってしまうのです。 これは良く見られる症状です。 ミッツ・ハーでは過去に2度もスタンドを折ってしまったお客様がいらっしゃいます。 こちらの車両は後者でスタンドが広がってしまったのです。

こうしたトラブルを防止するために、スタンドをかけるときには車体を垂直状態にしましょう。 もしものときのためにサイドスタンドを装備するのも有効ですが、サイドスタンドも折れやすいので、いずれにしてもスタンドを使用しているときに必要以上の荷重はさけるようにしましょう。 新しいスタンドに交換する際はスプリングも同時に新しくします。 このスプリングが経年劣化で伸びてくるとスタンドが走行中にブラブラしちゃうことがあります。 気になる方はこの部分だけでも交換しましょう。

ミッツ・ハーではこちらのヤマハだけでなく、全メーカーの純正部品を取り扱っています。 修理・整備のための部品としては純正だけでなく、純正相当の社外パーツもございますのでご予算に応じてご提案いたします。 修理・整備時にはお気軽にお尋ねください。
