タイヤ交換とオイル交換でヤマハJOGにご入庫いただきました。

今回は後輪の交換。 乗りかたによりますがスクーターの場合、大抵は後輪の方が減りが早いですね。 前後輪だと後輪に荷重されがちで、かつ駆動力も加わるからなのでしょう。 実際にスクーターは後輪の空気圧を高めに指定されている場合が多いです。

まずは入庫直後でエンジンが暖まっているときにオイルを抜いちゃいます。 オイルは暖かいと柔らかくなっているのでよく抜けるからです。 オイル交換でご入庫されるときは出来るだけ走ってからご来店ください。 最低でも5分以上。 可能なら15分以上走ってから来店してもらえると助かります。

エンジンオイルを抜いている最中にタイヤ交換を行います。

一見するとまだまだ溝があるように見えますがセンター（タイヤ中央部）の摩耗が進行し、スリップサインが露出しています。 こうなるとタイヤは要交換。

スクーターのタイヤ交換はマフラーを外す必要があります。 エンジンオイルの交換のためにエンジンを暖めています。 なのでマフラーが熱くなっているので注意！

車体からホイールを外すとブレーキシュー等が見えますので、単に交換するだけでなくこの部分も点検して清掃。 場合によっては注油（グリスアップ）も行います。

今回のタイヤは摩耗よりもゴムの硬化という劣化が目立ちました。 ゴムですから経年劣化で硬くなります。 紫外線の影響や風雨にさらされる環境により劣化の進行具合は変わります。 完全屋内保管の車両と、日当たりの良い場所で屋外保管の場所でタイヤの傷み具合はまったく変わってきます。 もうゴムとは言えないような、まるでプラスチックのように硬くなったタイヤは要注意。 急ブレーキ時にスリップしやすくなりますし、雨天走行も危険です。 特に冬場は低温でゴムが硬くなりますから、古いタイヤを装着しているかたは冬の走行は特に気を付けてください。 特に気を付けてオートバイに乗らなくてはいけない状況なら交換したほうがいいでしょう。

新しいタイヤは乗り心地も良好。 これはゴムがやわらなくなっただけでなく、断面が奇麗な円形になるから。 オートバイは自動車と違い、タイヤの接地している部分はわずかです。 断面が丸いですからね。 これはオートバイがコーナーリング時に車体をバンクさせるため。 右に左にとオートバイを傾けても丸い断面のタイヤは常に一定の面積が路面に接地し続けます。 奇麗な丸い断面だと抵抗なくオートバイが寝てくれます。 中央だけ減ってしまうと直進時は良いのですが右や左にオートバイに寝かすときに抵抗を感じます。 またオートバイがバンクしているときは接地する面積が小さくなっており危険。 更に道路にはワダチや角度がついており、ハンドルをとられることもあります。

一般的に道路は路肩が低くセンターライン付近が高くなります。 要はかまぼこ型でセンターラインから左右の路肩に向かって低くなるという角度がついているのです。 左側通行の日本の場合、オートバイは直進走行中は常にタイヤのやや右側が路面と接地していることになります。 なのでオートバイは中心が一番摩耗しやすく、それでいてやや右側も減りやすいという感じですね。 路面の角度はさまざまですから、角度が強いと中央だけ編摩耗したタイヤではとても走りにくく感じます。 こういったことからタイヤを新しい、綺麗な丸い断面のものに替えると抜群に乗りやすく感じるのです。 タイヤ交換直後の乗り心地の違いって100%体感できるんですよ。 なんておしゃべりしている間にタイヤ交換は終了。 マフラーを装着し、エンジンオイルの交換も終え作業終了です。 あとは定期的に空気圧の点検をしてくださいね！