'84年に1100のパワーに750の軽さを合わせた新・世界基準として鮮烈なデビューを飾ったGPZ900R。最高速度253km/hやSSO→400m加速10・550秒という当時超越のデータを持ちつつもその速度だけではなく、ストレート吸排気で小型効率化した左サイドカムチェーンのエンジン、空気抵抗係数=CD値0・33という好数値、これらの内容はまさにZを超えるワールドクラスのトップパフォーマンスだった。その人気は世界を席巻し、20 年もの間続いた。そんな世界基準のニンジャは、大きなモデルチェンジが実施されず、基本構造が変わらないまま数度のモデルチェンジのみに終わった。それほど基本コンセプト、スタイル、スペックが支持されていたのだ。その結果、ファースト・ニンジャは独自の路線を歩んだ。そう、どこにも属さないオンリーワンの「GPZ900Rニンジャ」という孤高のモデルとなり、現在では、カワサキ・カウル付きバイクのブランドという発展へ貢献したのだ。その20年の間に世界基準はさらに別のステージで熾烈を極めていった。