今でも欲しい!!魅力が満載 元祖「ニンジャ」を総まとめ

今でも欲しい!!魅力が満載
元祖「ニンジャ」を総まとめ

“ニンジャ”といえば、現在のカワサキ・ラインナップではカウル付きスポーツバイクに付く機種名称だ。しかし、本来“ニンジャ”といえばコアなライダーになればなるほど、ファースト・ニンジャ、GPZ900Rを挙げるだろう。
 '80年代の登場時は、主要輸出先である北米での日本の忍者が小説やTVドラマを介して忍者=Ninjaとしてブームになり、さらに高い技術と魅力ある日本の工業製品が世界を席巻した時代だった。そんな中、世界初の水冷直4大型車としてGPZ900Rが登場する。USカワサキはこのバイクに、呼びやすい、ハイパフォーマンスと日本製をイメージできるという理由からNinjaというペットネームを付けたのだ。
 当初の機種名から今ではジャンル全般を称するブランドになった“ニンジャ”とは!?今回は改めてファースト・ニンジャであるGPZ900Rに着目し、その魅力と系譜をお届けしたい。

初代カタログ

“Z1の志を汲む最高のカワサキ・ストリートモデル”の見出しでも分かるように、初代カタログからはZ1を凌ぐ熱意を感じる。理想を打ち立て、いかに作り込んだかが書かれている。

1100のパワーに750の軽さを合わせた新・世界基準

Z1から10年。世界をリードする新世代の旗艦を模索していたカワサキは、空冷/水冷、6気筒/4気筒、V型/並列とさまざまなエンジン形式を試しコンパクトでエキサイティングな水冷直4レイアウトにDOHC4バルブヘッドを組み合わせてゴーサインを出した。1100のパワーに750並みのボディ。リンクサスやフルカウルなど今に至るモダンスーパースポーツの基本を作り上げた“Ninja”。まずは初代Ninjaを見ていこう。

GPZ900R(A1)
GPZ900R(A1)

1984 KAWASAKI
GPZ900R(A1)

市販車世界最速の奪還へ
Z1を継ぐ次世代SSモデル

GPZ900R(A1)
GPZ900R(A1)

ラグナ・セカでの発表会にはこのようなストリップや各部パーツ、カットモデルも用意された(写真右)。鋼管ダイヤモンドフレームはこの角度から見るとスリムと分かる。アクスルは前φ15/後φ17mm、ピボット径はφ16mmだった。

今見ても普遍と言える各部の作り込み

4眼メーター

4眼メーターは燃料計、エンジン回転計(中央には慣らし時の注意ステッカー)、速度計(北米仕様のためマイル表示で、内側に小さくkm/h表示も併記)、水温計。フォークトップキャップを外すとフォークのエア調整ができた。

ADS+AVDS

フロントフォーク前にあるのが市販車初となるADS+AVDS。片押し1キャリパーへの油圧をフォークに還元してブレーキング時の沈み込みを抑制し世界最高速をコントロールする。フロントフォークφ38mm+AVDS/オフセット40mm。

ボトムリンク式ユニトラックサス

リヤのボトムリンク式ユニトラックサスは、ホイールは無駄のない変則6本スポークで、2.50-16/3.00-18サイズ。'90年A7よりインチ変更となりリヤ幅も拡大。デザインも変則6→3本スポークに。A12でリヤサスはガス封入式に。

キャブレタートップ

写真下の丸はキャブレタートップで、そこから上=吸気ポート→プラグ(燃焼室センターに同じ)→排気とまっすぐな流れが作られていると分かる。フレームもここで絞られて、エンジンのスリムさを活かすようになっている。

当時の最新技術を凝縮
世界中が驚いたそのデビュー

 Zで獲得した世界最速の奪還、次の10年君臨できる、そんな開発コンセプトのもと生まれたのがGPZ900Rだった。単純に速いだけではなく、乗り味もエキサイティングで、当時最大の1100のパワー、かつ750cc並みに軽くコンパクトなことなど、次々と新しい技術が持ち込まれ、試作とテストを繰り返し完成した一台は、狙い通りに世界最速を遂げたのだ。空力的なフルカウル、効率を考えた吸排気系やコンパクト設計を施したエンジン、スペース効率に優れたダイヤモンドフレームにリンクサス。後に続く旗艦スポーツモデルの基本を作り上げたのだ。日本の750cc超自主規制解除にも貢献、カスタムの興隆でも人気が続き、時代に合わせ20年を現役で過ごした。ニンジャという名を未来にまで残す原動力になった希有な1台でもあるのだ。

SUZUKI GSX1100S KATANA/刀

SUZUKI GSX1100S KATANA/刀

ニンジャのライバルといえばスズキGSX1100Sカタナだろう。漫画でも人気で「カタナとニンジャ」の日本語ネームも共通だった。

中古相場価格●85万円~126.9万円

※GPZ900R/GPZ750Rの表記は、モデル・時期によりzとZがありますが、本文ではタイトルを除き、Zと記載しております。

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2018年11月)。

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