隼 ハヤブサ まるごと。

隼 ハヤブサ まるごと。

既存のスズキファンだけでなく、
世界中のライダーの憧れのモデルと言っても過言ではないモデル『隼』。
独特なスタイリングからなる強烈なインパクトはもとより、
世界最速の市販バイクとして君臨し続けてきたその存在感は、日本の誇りとも言えるものだ。
1998年に発表され2008年に一度フルモデルチェンジを行っただけで、
その他の大幅な変更はなかった。それは生まれた時から完成していたバイクということの裏付けでも
ある。先日、そんな隼が生産終了となるアナウンスが流された。
そこで今、再び隼の轍を振り返り、隼というバイクがどれほど偉大なものだったかを検証したいと思う。
Text/Dan Komatsu

超高速走行中毒者志向
激危険薬物!!

 日本を代表するメガスポーツモデルであるスズキ・隼GSX-1300R。1998年にケルンショーにて発表され、20世紀最速の市販バイクとして名を刻んだ隼は、日本だけでなく世界中のバイク乗りが憧れる一台となった。2008年に一度フルモデルチェンジを遂げてから10年経った今年、その隼の生産を終了するというリリースが流されたのだ。足掛け20年の間に世の中は大きく変わった。登場したころは独壇場とも言えたメガスポーツバイクのマーケットは、徐々にブームが去りゆき、一方で最近ではより強力なライバルも出現している。情勢は変化したのだ。一部の噂では近い将来フルモデルチェンジを行った新型が登場するという話も出ていることは確かであるが、既存モデルから販売時期をオーバーラップさせずに、一度生産終了という形を取ったことは、ひとつの時代の終わりと言えるだろう。
 オーナーや乗ったことがある人ならば隼というバイクがどれほど素晴らしいモデルかを知っているであろうし、もし未体験だったとしてもバイク乗りであればその存在の大きさを感じていることだろう。ツアラーでもなくスーパースポーツでもなく“アルティメットスポーツ”という独自のジャンルを築き上げた隼。伝説とも呼べる軌跡を振り返る。

2代目隼 インストゥルメンタルパネル

2代目隼のインストゥルメンタルパネルは戦闘機の計器類を意識したもの。最初期モデルは350km/hまで目盛が刻まれていた。

ドラッグレース

隼の伝説を語るうえでドラッグレースシーンでの活躍も外せない。本場アメリカでもベース車両として高い人気を誇るモデルなのだ。

隼 エンジン
隼 エンジン

初期モデルの1299cc/175馬力、2代目では1340cc/197馬力となった隼のエンジン。時速300キロの世界へと導く。

※これまでに車名表記が幾度か変更されていますが本項では『隼』で統一させていただきます。

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