
誕生前夜

SUZUKI GSX-R1100
中古相場価格:29万円~150万円
世界最速のロードスポーツとして登場したGSX-R1100。バイク業界に衝撃を与えた一台であり、これが隼のルーツと言っても過言ではないだろう。今乗っても遜色のないポテンシャルを誇っている。

KAWASAKI ZZR1100
中古相場価格:15万円~138万円
1989年の東京モーターショーで発表され、90年に発売されたZZR1100は、メガスポーツと呼ばれるジャンルの先駆け的存在だった。最高速度は時速290キロ近くまで達し当時最速の市販車と呼ばれていた。
ハイスピードモデルの黎明期へと突入
80年代から90年代にかけて巻き起こったレーサーレプリカブームの熱が徐々に冷めてゆくそんな時代にありながら、一方でGPZ900Rの成功そしてZZR1100やCBR1100XXブラックバードの登場など少しずつ勢力を強めていったのがハイスピードスポーツモデル市場だった。
隼の系譜を遡ってみると、その元となったのは1986年に登場したGSX-R1100と言えるだろう。その前年にGSX-R750を発表し世間を騒がせていたスズキが、さらに大きな排気量を誇るリッターオーバーのスーパースポーツを導入し、それは最高速度260km/hを超えるという超ド級バイクということでバイク業界のみならず大きな話題となったものだ。なお、名優松田優作氏の遺作となった映画『ブラックレイン』の劇中で氏が乗っていたのがGSX-R1100であるというのは有名な話だ。
注目したいのは、80年代にはライバルメーカーがハイパワーエンジンを開発するにあたり空冷から水冷へと変えていったのに対しGSX-R1100はスズキ独自の油冷エンジンで対抗して行ったことだ。結果的には水冷化の波に乗ることとなったが、今でもスズキと言えば油冷というイメージを持つ人も少なくない。GSX-R1100はそれほどまでに衝撃を与えたモデルだったのだ。
※中古車相場価格はグーバイク調べ(2018年7月)。