

初代誕生から半世紀近くが経過してなお、Zはカワサキの象徴であり続ける!
多くの二輪車メーカーには、それを代表するような車名が存在する。カワサキの場合は「Z」だ。
1972年に誕生したこのブランドは、21世紀になってから再構築が進められ、現在も勢力を拡大中。
豊富な排気量帯に、スポーティテイストを取り入れたネイキッドモデルとして展開されている。
Text/Toru Tamiya
スポーツネイキッドに与えられる栄光の車名
例えばホンダならCB、ヤマハなら現在のMTや少し前までのFZ、スズキならGSXというように、二輪車メーカーにはそれぞれ、名刺代わりとなるようなブランドネームがある。カワサキの場合、もちろんニンジャやZXというのも有名だが、もっとも古くから現行モデルに受け継がれているのはZである。
1972年に、900スーパー4の型式名だったZ1からスタートしたこのブランドネームは、1990年代に一度は直接的に使われることがなくなったが(GPZやZZ-Rやゼファーなど、Zが付くブランドは多数)、2003年型のZ1000から新たな時代を築いている。
それ以降、Zの車名はストリートファイター的な外観のスポーツネイキッドに用いられてきたが、2018年型としてZ900RS/カフェがZシリーズとして追加されたことで、より広がりを見せはじめた。
ただし、どんな時代のどんなカタチをしたZであっても、根幹には共通した要素がある。現行Zシリーズの場合、シャープなルックスのZ1000とネオレトロなZ900RS、あるいはより公道での親しみやすさを追求したZ650やZ250などでは、重視する要素は少し異なるが、Zにはライダーをワクワクさせるスポーツマインドが息づいているのだ。
900 SUPER4
中古相場価格●151~600万円(1972~1976年型)

栄光のブランド名称は
1972年から!
カワサキZシリーズのルーツは、いまなお根強い人気を誇るZ1。正式車名は900スーパー4だったが、型式名のZ1という呼称が広く知られているモデルだ。1972年に製造が開始されたZ1は、当時世界最大の二輪車マーケットだった北米市場を強く意識して開発され、903cc空冷並列4気筒DOHC2バルブエンジンの搭載により、量産車として世界最強最速の地位を手に入れたモデルとなった。これ以降、カワサキは「Z」の車名にこだわる。