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海外発信で変革するニッポンのヨンヒャククラス

日本の400ccクラスが再び充実するきっかけに!?海外発信で変革するニッポンのヨンヒャククラス

2000年代に入ってラインナップ縮小傾向を続けてきたヨンヒャククラス
しかし今後、再びこのクラスが充実してくるかもしれない
カギとなるのは欧州やアジアなどで注目を集める「サンビャク」なのだ!

YAMAHA MT-03

YAMAHA MT-03

新車価格●52万3800円〜 中古相場価格●35〜51万円

日本市場ではMT-25と併売中!

MT-25とほぼ共通化された、鋼管フレームを骨格とする車体に、排気量320ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載。MTシリーズらしいアグレッシブなルックスにまとめられた俊敏なネイキッドスポーツだ。MT-25と日本導入のタイムラグはなく、2015年10月にデビューした。

YAMAHA MT-03

わずかな差が
意外と大きな余裕を生む

YAMAHA MT-03 エンジン

排気量差にあわせて、ECUセッティングや吸気ファンネル長、ラジエターファン性能、排気系などを専用化。レッドゾーンも異なる。最高出力は、25の36馬力に対して03は42馬力。諸元上の車重は165kgで同一!

MT-25と外観の相違点は
ほとんどない

YAMAHA MT-03 ステップ

外観でMT-03とMT-25を見分けるポイントは、車名ロゴなどを除けばステップのヒールガード。軽量化の穴が開いているのが25、無いのが03だ。なお純正タイヤは03がHレンジなのに対して25はSレンジとなっている。

HONDA CBR300R
例えばホンダのCBR250Rは・・・
欧州などではCBR300として展開中!
HONDA CBR300R

ホンダは2014年型から、CBR250Rの海外仕様としてCBR300Rを販売。ストロークアップにより排気量を37cc増の286cc化して、パワー&トルクを少しアップしてある。またカワサキも、ニンジャ250やヴェルシス-X250などを海外では300として展開中。このままもう少し排気量拡大傾向が続けば、日本でも魅力的な排気量帯になるのだが・・・。

SUZUKI GOOSE350
免許制度による排気量枠に縛られない
マシンづくりは古くからされていた!
SUZUKI GOOSE350

レーサーレプリカブーム最盛期の1991年にスズキが投入したグース350は、絶対的なスペックではなく公道での軽快な走りを追求し、348cc油冷単気筒エンジンを搭載。輸出用エンデューロレーサーをベースとするエンジンを使った結果ではあったが、400ccという上限枠にとらわれないで設計されたモデルのひとつとなった。

じきにグローバル市場が日本の区分に追いつく!?

近年、二輪市場のグローバル化はかなり進み、並列2気筒や単気筒のエンジンを搭載した小排気量帯のオンロードスポーツ車が、欧米やアジア圏など幅広い地域で設定される傾向にある。欧米ではエントリーモデル、アジア圏ではミドルグレードまたはハイエンドに位置することもあるこれらの機種は、少し前までは250ccが中心だったが、現在は同じ車体に、より余裕がある300cc前後のエンジンを積んだバージョンが世界基準となりそうな気配である。

日本では車検制度の関係から、いまも250仕様が圧倒的に主流ではあるが、その中でヤマハはいち早く、日本市場で250と300の併売を開始。249cc水冷並列2気筒エンジンを積むYZF-R25およびMT-25に加えて、320cc仕様のエンジンを搭載したYZF-R3およびMT-03を販売している。

排気量400cc以下という法律上の上限を考えると、320ccというのはやや中途半端に思えるかもしれないが、普通二輪免許で乗れる250ccよりも大きなモデルの選択肢が増えたことはうれしい。

そして近い将来、海外市場のトレンドが影響してニッポンのヨンヒャククラスが再び充実する可能性も、ありえない話とは言えないのだ。

250ccクラスのスケールアップ仕様が増える一方で・・・海外仕様ミドルのヨンヒャク化はこれまでの定番!

最近は、250ccと車体を共用する300〜400ccモデルも増えてきた
しかしニッポンのヨンヒャクには、海外仕様ミドルのダウンサイジング版も多い
これらの機種は、より余裕がある車体や装備が魅力となる傾向にある

SUZUKI GLADIUS400 ABS
スズキこだわりのヨンヒャクVツインを
継承するスタイリッシュネイキッド

新車価格●83万1600円 中古相場価格●25〜60万円

SUZUKI GLADIUS400 ABS

都市部や女性ライダーにも合う流麗なスタイリングと、水冷90度Vツインエンジンがもたらすファンライド性能を追求して設計されたのがグラディウス。2009年の開発当初は、645cc仕様の輸出版のみだったが、1年ほど遅れて基本部が共通の車体に399cc仕様のエンジンを組み合わせたグラディウス400ABSが、日本市場に導入された。オンロードスポーツカテゴリーでは、現行ヨンヒャクで唯一となるVツインは、最高出力55馬力を発揮。車重は206kgとなっている。

HONDA CBR400R
欧州などではCBR500Rが活躍中ながら
開発陣はヨンヒャク仕様のバランスにこだわり!

新車価格●69万9840円〜 中古相場価格●30〜65万円

HONDA CBR400R

2013年に新登場し、2016年型で外観を中心とする大幅刷新を受けたCBR400Rは、海外で販売されるCBR500Rの兄弟車。180度クランクの水冷並列2気筒エンジンは、500仕様の排気量が471ccなのに対して、ショートストローク化によって399ccとしてある。最高出力は1馬力ほどしか違わないが、最大トルクでは6N・mの差。このシリーズは、ダウンサイジングというよりは同時新開発なので、400版のバランスも重視した設計が施されている。

HONDA 400X
500Xと共通の車体を用いていち早く
ヨンヒャクにアドベンチャーの世界観を

新車価格●74万1960円〜 中古相場価格●32〜68万円

HONDA 400X

CBR400Rと車体の基本部を共通化しながら、アドベンチャーモデルにまとめられたのが国内仕様の400X。こちらも、海外では同時開発された500Xが販売されていて、同じ車体を使うダウンサイジングモデルとなっている。新登場は2013年で、2016年型で外観刷新を中心としたモデルチェンジを受けたところも、CBR400Rや500Xと同じ。2017年には排気系などが見直された。デビュー当初は、普通二輪免許で乗れる唯一のアドベンチャーモデルだった。

KAWASAKI NINJA400 ABS
ベースの650は新型化&国内新登場したが
ヨンヒャクも従来のパッケージで併売

新車価格●66万8520円〜 中古相場価格●36〜67万円

KAWASAKI NINJA400 ABS

ベースとなったニンジャ650は、2017年型でフレームレイアウトから見直されるフルモデルチェンジを受けたが、国内仕様のニンジャ400シリーズは従来型のまま販売が続けられている。ボア・ストロークともに縮小することで最適化された399cc水冷並列2気筒エンジンは、最高出力44馬力とやや物足りないスペックながら、ライダーフレンドリーな性格はエントリーライダー向きでもある。ニンジャシリーズらしいシャープなルックスを持つ。

今後も開発を期待したいダウンサイジング方式

これまで日本独自のヨンヒャククラスは、専用に車体が開発された機種に加えて、海外向けのミドルクラスマシンをダウンサイジングした機種によって成り立ってきた。日本の二輪車市場は残念ながら縮小傾向にあり、日本専用モデルを開発するコストをかけるほど魅力的とは言えないのが現状だが、ほぼ共通の車体を使うダウンサイジング版であれば、まだ可能性はありそうだ。

ここ最近、アジア圏ではハイエンドとなり欧米では幅広い層にマッチするミドルクラスは、新型導入やモデルチェンジが比較的活発な傾向にある。これらの機種を使った最新型の登場に期待する一方で、現行型またはかつてのダウンサイジングヨンヒャクにも注目したい!

※中古車相場価格はGooBike.com調べ(2017年7月)

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