高性能バイクを作ることは日本メーカーのお家芸である。もっとパワーを、もっとスピードを、そしてもっと扱いやすく。時代とともにハイレベル化するライダーの欲求を、最大限の努力とアッと驚くメカニズムで応えるのがメーカーの役目でもる。この繰り返しでバイクは途方も無い進化を遂げてきた。その最たるものがメガスポーツだろう。 誰もが買える市販車で、世界一の速さを目指す。もっともわかりやすく、もっとも難しい命題に、日本のメーカーは長年挑み続けてきた。後ほど紹介する空冷4発も、こうした欲求が発端となって登場したと言っても過言ではない。 世界最速バイクを生み出すことは、ある意味日本製バイクの宿命だ。日本のメーカーは、40年以上かけて他の追随を許さない技術を積み上げてきた。そうしたメーカーの姿勢こそ、立派なジャパニーズスタンダードと呼べるものなのだ。
世界に誇る日本のメガスポーツが隼だ。パワーと空力を最大限に追求し、世界のライダーを虜にしている。
隼から世界最速の座を奪還すべくカワサキが投入したZZR1400。最大出力はなんと200PSに迫る。
ホンダが世界最速を目指した車両がXXだ。別名ブラックバードとも呼ばれ、今でもコアな人気を誇る。
90年代の大ヒットマシンとなったZZR1100、実測300km/hを射程に収める性能を手にした夢のマシン。
Z1に始まった空冷4気筒は水冷へと進化。84年にデビューしたニンジャはもちろん当時の世界最速車である。
1100cc最後となるD型は、その速さでも人気だったが、カスタムベースとしても大きな支持を得ていた。
最新へのこだわりが進化を生む
時速300km/hという超高速域を見越した車体づくりは、メーカーの技術を大きく進歩させる。せまりくる風圧への対処、各部へかかる力のいなし方、そしてライダーとの一体感、これらを全て満たすことができなければ、ただの危険なバイクである。こうした『非日常』を想定し形にすることで様々なデータが蓄積されるのである。
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