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ヨーロッパ生まれのスポーティなネイキッドスタイル


バイク雑誌で紹介されたカスタムがキッカケ

 ストリートファイターは、ヨーロッパで生まれたカテゴリーのひとつである。そこに正確な定義はないが、スポーティな走りの出来るネイキッドスタイルで、走りを意識した前衛的なデザインのマシンをこう呼ぶことが多い。

 そのルーツは90年代中頃。スーパースポーツのカウルを取り去り、過激なスタイルにしたマシンを、バイク雑誌が名付けたことがきっかけと言われている。その後、ヨーロッパで人気が高まり、この流れがメーカーにも影響を与えて現在まで続いている。

 アップハンドルのマシンは乗りやすい反面、本気で走り出すとマシンが暴れやすく、設計もライディングにも難しい部分が顔を出す。外観にしてもカウリングを取り去ってしまうことで色々なパーツがむき出しになってしまう。しかし、そういう部分がヨーロッパでは個性的で面白いと受け入れられた。そしてその未完成さ、個性は、日本でも徐々に注目されつつあるのである。


ドゥカティ ストリートファイター ドゥカティ ストリートファイター

過激だけど魅力あるLツインパフォーマンス

 ドゥカティのスーパースポーツ「1098」と同様のエンジンを搭載した最新モデル、ストリートファイター。そのデザインは素晴らしく、見た人に与えるインパクトは相当なもの、それでいて全体はコンパクト。独自のトラスフレームやLツインエンジンの美しさも際立っている。

 走りは今回試乗したマシンの中では飛び抜けて激しく、スパルタンだった。ハンドルが低く幅広なポジション、低回転ではギクシャクしてしまうLツインエンジン、ハードなサスペンションなど、走り出した瞬間に手強さを感じさせる。ただ、車体がビックリするくらい軽いため、乗りにくいというレベルではない。また、こういったスパルタンな部分も味として許せてしまうのは、やはりドゥカティのマジックなのだろう。

 速度域が高いワインディングなどでペースが上がってくると、マシンの様子が変わって俄然乗りやすくなる。サスペンションも動き出して自由自在に向きを変えてくれる。エンジンもツインとは思えないほどにスムーズ。どんな回転からでも右手を動かせば、イメージした速度まで、瞬時にマシンを到達させてしまう。

 ミドルクラスよりも軽い車体と1098用エンジンの組み合わせによるこの加速感は、ほかのどんなバイクでも味わえない爽快さ。Lツインの鼓動感と排気音もあいまって、スロットルを捻るたびにライダーを興奮させる。

 美しいイタリアンデザイン、他にはないLツインのフィーリング、ライダーに挑みかかってくるようなハンドリング、こういうドゥカティワールドが好きなら、このマシンは間違いなくあなたをトリコにするだろう。

トライアンフ ストリートトリプル トライアンフ ストリートトリプル

3気筒が生み出す高バランスな性能

 600ccクラスで最高のマシンとヨーロッパで評されたトライアンフのスポーツバイク、デイトナ675をベースとして作られたストリートファイターが、ストリートトリプルだ。乗りやすさとパフォーマンスで発売以来大人気となっているマシンである。

 走り出してまず驚かされるのはエンジンの力強さ。トライアンフの3気筒エンジンは、どれも低回転からトルクフルなのだが、このストリートトリプルも例外ではなく、675ccということが信じられないほどだ。そして回転が上昇するとエンジンの性格が変わって、リッターマシンも真っ青な加速を始める。同時に、低回転でコボゴボ言っていた排気音は、突然音色を変化させてライダーを夢中にさせてくれる。

 そこまででも十分に面白いのだが、ストリートトリプルの加速はまだ先がある。もう終わりかと思うような回転域からさらにもうひとのびする。それと同時に、排気音が突き抜けるような甲高い音色に変化し、ライダーの興奮も頂点に達する。この超高回転域でのフィーリングは、リッターバイクにないミドルクラスだけの魅力である。

 ハンドリングはあらゆる速度域で軽快、かつ乗りやすく、どんな乗り方にも対応してくれる。それでいてサーキットで走らせても根を上げない懐の深さを持っているのだから、これで人気のでない方が不思議というもの。現代のイギリスが作り上げた傑作マシンの1台といえる。

スズキ B-KING スズキ B-KING

目指したのはホンモノの王者

 2001年に開かれた東京モーターショーの会場でお披露目され、世界中のオートバイマニアに衝撃を与えたコンセプトモデルが、スズキのB-KING。このままの姿で発売して欲しいと言うファンの声に答えて、現実に発売された夢のマシンである。

 エンジンは、世界最速を狙って作られたスズキのスーパースポーツ、ハヤブサ用。180馬力オーバーの最高出力を発揮する怪物マシンだ。

 タンク上に設けられたモードセレクターをA、つまりフルパワー仕様とした場合に発揮される。前代未聞のパワーは、普段、こういったマシンに慣れているはずの我々でさえ、時に恐怖を感じるほど圧倒的なものだ。

 普通に考えればそれだけのパワーをネイキッドスタイルで手なづけるのは難しく、メーカーは意図的にエンジンパワーを絞ってくるもの。ところが、B-KINGではあえてそれをせずに、スポーツバイク顔負けのハンドリング性能まで与えた。

 その性能は、たとえエキスパートライダーが思い切り攻めたとしても、簡単に根を上げないほど高いパフォーマンスを持っている。それでいて扱いやすいハンドリングとエンジンは、初心者であっても感動できる。そんな硬軟合わせ持つ二面性がB-KINGの魅力ともなっている。

 バイクの王者にふさわしいマシンを目指したというエンジニア達の言葉が、そのまま結晶になったようなマシンなのである。

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