カワサキがリッタースーパースポーツ最速をねらって開発したのが新型ZX-10R。コンパクトで軽量なエンジンと車体で鋭いハンドリングを生み出す。デザインはかなり戦闘的だ。マフラーやメーター類が個性的な形をしていることもあり、他よりも個性を重視している方向性であることを感じる。
この感じは走り出しても変わらなかった。エンジンは、低回転のトルクがあまりなく、高回転型の特性。ポジションもハンドリングもちょっと違和感があった。ところがそれは最初の数分だけ。慣れてくるとマシンがどんどん体に馴染んでくる。
低速トルクがないエンジン特性も、低速コーナーが多い場所なら、積極的に開けていける。気がつけば今回テストしたマシンの中で、コースをもっとも気分良く攻め込んでいた。
高速のコースで速度が乗ってくると、今度は高回転のパワーと鋭いハンドリングが爆発する。低速での扱いやすさと高速での速さ、その二面性が光った。ライダーを気持ち良くさせ、結果的に速く走る。ZXは、そんなマシンである。
SPECIFICATIONS
エンジン |
水冷DOHC 直列4気筒 |
排気量 |
998t |
ボア×ストローク |
76×55o |
最高出力 |
138.3〜147.1Kw(188〜200PS)/ 12500rpm |
最大トルク |
113Nm(11.5kgm)/8700rpm |
全長×全幅×全高 |
2110×710×1135o |
シート高 |
830o |
車両乾燥重量 |
179s |
燃料タンク |
17L |
タイヤサイズ |
F 120/70-17 R190/55-17 |
新車価格 |
136万5000円 |