2025/04/13 13:48:12 更新【キャブレター整備】ヤマハ FZ400 キャブレター分解整備ヤマハ FZ400
エンジンの不調でヤマハFZ400にご入庫いただきました。 始動性が悪く、アイドリングも不安定です。

久しぶり(3〜4か月ぶり)にオートバイに乘ろうとしたらエンジンの始動に手間取り、チョークを戻すとエンジンが停止してしまうとのこと。 始動後に走ってもアイドリング不良でアクセルを煽っていないとエンストしてしまうという症状で修理のご依頼です。 最近、ミッツ・ハーの近隣にお引越しされていらっしゃったお客様。 購入店は西日本ということで整備を依頼できるショップを探していたそうです。 ミッツ・ハーでは他店で購入された車両の整備や修理もお引き受けしています。 但し、車種によっては対応できない場合がありますのでお問い合わせください。

状況や症状からするとキャブレターの目詰まりが原因だと思います。 最近のオートバイはインジェクション化されていますので、バッテリーさえ正常なら久しぶりの始動でもあっさりとエンジンはかかります。 しかしキャブレター車はしばらく乗らないと目詰まりすることがあります。 キャブレター内の(フロートチャンバー内の)ガソリンは徐々に揮発します。 ガソリンには様々な成分があるのですが、揮発するとなかにはベタベタとした成分としてキャブレター内に残ってしまうものがあります。 これが詰まりの原因です。 日常的に良く乗っているオートバイは良いのですが、あまり乗らない車両はキャブレター内(フロートチャンバー内)のガソリンを抜いておくのが良いと思います。

キャブレターを車体から取り外すとかなり汚れています。 早速分解して洗浄剤を使い、目詰まりの原因となっている劣化したガソリン成分を溶かしていきます。 PEAという溶剤をガソリンに混ぜておくとキャブレターや燃料系統、燃焼室などの洗浄効果を発揮してくれます。 劣化してキャブレターを目詰まりさせるガソリンの成分を溶かし、燃焼室のカーボンなどを洗浄しガソリンともに燃焼させてくれます。 いわゆるガソリン洗浄添加剤です。 これを使うとキャブレターの目詰まりも防げますし、インジェクション車なら燃料噴射装置(インジェクター)の洗浄効果により奇麗な噴射を維持することができます。 バルブに堆積するスラッジやカーボンも洗浄してくれるため、エンジン内部も奇麗になります。

比較的メジャーなのはワコーズのフューエルワン。 ヤマハからもカーボンクリーナーと言う名前で販売されています。 シュアラスターのループパワーショットも同じ効果です。 これらの製品はPEAが主成分となっていますので、基本的に効果は同じです。 但し、基本的には自動車用として1本をまるまる燃料タンクの注油するものですので、オートバイに使う際は計量して使う必要があります。 PEA自体は燃えない成分ですので大量に入れるとエンジンが始動できなくなります。 当店では主にスーパーゾイルのフューエルチューナーをおすすめしています。 1リットルあたりに使用する量を金額で換算すると、フューエルワン等よりもお得です。 恐らくPEA成分が濃いのでしょうか、1リットルあたりに添加する量も少なく、ボトル(容器)がいちばんコンパクトなのでオートバイに搭載もしやすいのです。

分解したキャブレターは専用クリーナーで汚れを溶かし、しっかりとパーツクリーナーで洗浄します。 フロートのチェック、フロートバルブの確認、ジェット類の目詰まりは専用工具を使って清掃を行います。 奇麗になったキャブレターを車体に取り付け、同調を含むキャブレターの調整を行えば作業終了です。 始動性も良好でアイドリングも安定。 吹け上がりも好調になりました。 今後はうまく添加剤を使いながらキャブレターのコンディションを維持し、ときどき分解洗浄してあげましょう! この度はご用命いただき、ありがとうございました。
