ミッツ・ハー 厳選の良質中古車40台以上屋内展示!季節やお天気を問わず初心者、女性、大人のライダー大歓迎です。ゆっくりご覧いただくためにお一組ずつご案内していますので、ご来店前にはお気軽にお問合せご予約を!

2024/10/08 13:07:04 更新【ドゥカティモンスター】Monster400 ガソリン漏れ修理、オイル交換、リチウムバッテリー交換ドゥカティ モンスター400

作業実施日 2024/10/07

ガソリン漏れのトラブルでドゥカティモンスター400がレッカー車で搬送されてきました。

ガソリンタンク内のガソリンは僅かだけです。 全部漏れてしまったのかもしれません。 症状としてはイグニッションキーをONにするとタンク下からガソリンがけっこうな勢いで漏れるとのこと。 キーをOFFにすると徐々に漏れが止まるそうです。 この車両はタンク内に燃料ポンプが備わっています。 ONにするとポンプが稼働しガソリンがエンジンへ圧送されるのですが、その圧送される経路で漏れているのでしょう。 仮に燃料タンクに何らかの原因で穴が空いていれば、イグニッションのON/OFFとは関係なく漏れます。

燃料タンクをリフトアップしてポンプ部を点検します。 燃料タンクにガソリンホースや配線が繋がっています。 この部分が燃料ポンプです。 この燃料ポンプのパッキンが劣化してガソリンが漏れてくるトラブルもありますが、その場合はイグニッションのON/OFFに関係なく漏れます。 今回はホースの劣化を疑っています。

この状態でイグニッションをONにしたところ、燃料ポンプとホースの付け根部分からガソリンが漏れ出しました。 どうやらホースではなく、ホースとポンプを繋ぐカプラ部分のトラブルです。 ホース(カプラ)は2つあります。 このうち片方から漏れています。 カプラを外して点検したところ、パッキンの役割を果たすOリングが劣化して破損しています。 ガソリン漏れの原因はこれです。 念のためもう片方のカプラも点検しましたが、そちらは異常なしです。 Oリングが破損しているカプラをドゥカティ純正部品を発注し交換します。

新しい部品と比べると一目でわかります。 右側の新しいカプラには青いOリングが見えますが、左側の劣化したカプラにはちぎれたOリングしか残っていません。 あまりこの部分がこのように千切れるのは見たことがありませんが、この部分の脱着歴はないので人為的な作業ミスということでもありません。 Oリングはゴム製ですので経年劣化でこうなることもあるということを頭に入れておいた方が良いでしょう。

ホースを接続し、カプラを燃料ポンプにつないでイグニッションキーをON モーターが可動していますがガソリン漏れはありません。 これで問題解消です。 引き続きエンジンを始動し暖気。 オイルを暖めたらオイル交換…と思ったのですが始動できません。 ONにしたら燃料ポンプが動き、インジケーターランプが点灯しますがセルフスターターモーターを動かす力がバッテリーに無いようです。 バッテリーあがりです。

現在搭載しているバッテリーは一般的な鉛電池。 MVアグスタにも純正採用される欧州メーカーのBSバッテリーを3年前のご納車時に搭載しました。 早速、電圧を測定すると12.3V以上あります。 一般的に正常なバッテリーなら12〜13V程度の電圧がありますので正常です。 但し、電圧が正常だからといってバッテリー自体が正常とは判断できません。 セルフスターターのボタンを押すと「カチッ」とリレーの反応音が聞こえるもののモーターはまわりません。 バッテリー電圧(V/ボルト)は正常なものの、どうやら電流(A/アンペア)が不足しているようです。

電圧と電流の違いは水道の蛇口で例えるとわかりやすいかもしれません。 電気を水に置き換えて考えましょう。 水道の蛇口には水圧がかかっています。水を押し流そうとする力ですね。これが電気で例えるなら電圧(ボルト)です。 いきなり蛇口を全開にすると勢いよく水は出てきますね。 この蛇口で水量を調整します。これが電気で例えるなら電流(アンペア)です。 いくら水圧(電圧/ボルト)が強く水を押し出そうとする力があっても、水量(電流/アンペア)を絞られてしまえば水の流れは少なくなります。 どうでしょう? 少しイメージできたでしょうか? バッテリーは経年劣化で始動時に流せる電流(アンペア)の量が減ってきます。 つまり電圧(ボルト)が正常でもエンジンを始動させることができなくなるのです。

これらの診断は専用のテスターで行います。 調べるのは「CCA値」 CCAとは「コールドクランキングアンペア」の略称で、そのバッテリーにエンジンを始動させる能力がどれだけあるかを示します。 最初に私がチェックしたように、バッテリーはまず電圧測定をするのがセオリーです。 電圧が低ければそもそもスターターを動かして始動することはできませんから。 但し、適正電圧だからと言ってエンジンが始動できるわけではありません。 CCA値が低下しているとスターターモーターを稼働させるときに、一気に電気をモーターの送り込むことができなくなるのです。 例えば新品時に200CCAだったバッテリーが経年劣化で100CCAになった場合、新品時には200Aの電流が流せたものが100Aしか流せなくなっている状態を表します。

バッテリーは経年劣化で始動時に流せる電流(アンペア)の量が減ってきます。 つまり電圧(ボルト)が正常でもエンジンを始動させることができなくなるのです。 このエンジンを始動させる能力がどれだけあるかを数値化したのがCCAと言う値です。 摂氏-18℃の環境で定電流放電させて、30秒後のバッテリー電圧が7.2V以上保つことができる限界の放電電流値がCCAになります。 といっても摂氏-18℃で停電放流なんてできませんよね? なので専用テスターを使用して測定します。 Monster400に使用するバッテリーのCCA基準値は210です。 新品時だと実際に測定すると210どころか、280CCAとかそれ以上の数値を発揮するバッテリーです。 測定してみると… 電圧は12.3Vあるものの、CCAは70しかありません! 実測CCA70÷基準CCA210×100=33.3…この計算式で現在のバッテリーの状況がわかります。 基準性能に対し33.3%しか発揮できておらず劣化しているということになります。 交換します。

交換するのはお客様も前々からご興味を持たれていたリチウムバッテリーです。 いくつかあるメーカーの中でも圧倒的に信頼性のあるSHORAIリチウムフェライトバッテリーを搭載することにします。 従来の鉛電池が約3700グラムだったのに対し、リチウムは850グラムと圧倒的な軽さが特徴。 モンスターのように車両上部にバッテリーを搭載する車両は、車両の引き起こし時にその軽さの恩恵を感じることが出来るはずです。 リチウムバッテリーは自己放電がほとんどありません。 従来の鉛電池はバッテリー単体でも(どこにつないでいなくても)徐々に放電します。 この事故放電に加え、現代のオートバイは盗難防止装置やECUの待機電力、時計などのアクセサリーでバッテリーは徐々に放電してしまいます。 鉛電池は性質上、放電すると内部の電極板に絶縁物質(硫酸塩)を生成します。 これをサルフェーションと言います。 サルフェーションは生成直後はとても柔らかく、速やかにバッテリーを充電することでサルフェーションはバッテリー内部の電解液に溶け込みます。

しかし自己放電などで長期放置したり、長期間の充電と放電を繰り返すとサルフェーションが硬質化し電解液へ戻らなくなります。 電気を取り出すための電極版周囲に絶縁物質であるサルフェーションに覆われてしまうと内部抵抗が大きくなり、放充電がしにくくなりバッテリーの容量が低下しパワーダウンします。 こうした特性があるので、たくさんオートバイに乘る方のバッテリーは長持ちするのです。 エンジンを始動すれば充電されるのでサルフェーションが溶けるからなんですね。 従来の鉛電池のバッテリーは通常使用で2年は問題が無いはずです。 2年以内にバッテリーあがりを起こしてしまった場合は充電して再使用しても良いと思いますが、2年以上使用したバッテリーがあがってしまったら交換を推奨します。 今回は3年使用したので十分役目を果たしてくれました。 SHORAIリチウムフェライトバッテリーは自己放電がほとんどなく、鉛電池と違いサルフェーションのような絶縁物質が生成されることはありません。 従って一般的な使い方なら鉛電池より寿命が2〜3倍と言われます。

バッテリーメーカーの最大手であるGSユアサは自社のバッテリーの補償期間を最大1年(または20000キロ)としています。 SHORAIリチウムフェライトバッテリーはその3倍の3年補償。 軽量に加え、ロングライフ性能も自慢です。 鉛バッテリーと異なり、容量と比例してバッテリーの躯体が大きくなることはありません。 構造的に違うのです。 なので今回も交換する鉛バッテリーよりもコンパクト。 なので専用のパッドで隙間を埋めるのですが、お客様によってはこのスペースを有効活用。 車検証を入れたり、ETC車載器を入れるといった使い方も可能ですね。 SHORAIのリチウムバッテリーはリチウムイオン・フェライト(SHORAIが専売権を持つ専売権を持つeXtreme-Rateリチウム鉄角柱型セル)を使用。この素材は発火や爆発の原因になる可燃性ガスを発生しません。 そのため安全データシートを付帯すれば、飛行機の手荷物で運ぶことも可能なほどです。 安心安全というのも特徴です。

装着時にバッテリーテスターで診断。 メーカーは限りなく不良品をゼロにするための努力をしていますが、工業製品は不良品発生率をゼロにすることはできません。 その為、新品でも(リチウムに限らず通常のバッテリーでも)使用前にはテスターで診断します。 このSHORAIリチウムフェライトバッテリーの基準CCAは210ですが、計測結果は315CCAもあります。 これなら一気にセルフスターターモーターに電気を流せます(高電流です) 当然ながら始動性が劇的に良くなります。 この大放電が可能と言うのもSHORAIリチウムフェライトバッテリーの特徴で、大排気量車や圧縮比が高いエンジンも力強いクランキングで始動することができるのです。 構造的に鉛バッテリーと比べると短時間での充電が可能ですから、あまりオートバイの乗る時間が取れない…と言う方でも、比較的短時間の走行で充電されます。 もちろん専用充電器を併用すればさらに良いでしょう。

バッテリー交換後にエンジン始動! 弱っていたバッテリーと比較すれば、燃料ポンプの稼働音やセルモーターの動く勢いが段違いです! 暖気してエンジンをあたためてからエンジンオイルを交換。 使用するオイルはミッツ・ハー公式推奨エンジンオイルのルブロス ルブロスのオイルラインナップはぜんぶで5種類。 ① Moto-Synthe…原付や実用車などに使用するベーシックオイル ② Moto-ST…水冷、空冷問わず、旧車にも使える万能高性能オイルで、ストリートからワインディングのスポーツ走行まで可能な部分合成油 ③ Moto-SS…ストリートからサーキットまで幅広く対応する高性能100%化学合成油 ④ Moto-RS…ハイパワーエンジンにも対応し、サーキット走行からレースシーンでも使える100%化学合成油 ⑤ Moto-GP…サーキットやエンデューローなどでの高温・高負荷にも耐えうる本格的なレースにも最適な乾式クラッチ専用の100%化学合成油

②〜⑤はルブロス独自のナノパフォーマを配合しています。 更にグレード(使用温度領域を表す10W-40などの数字)は様々なご用意がございます。 今回使用したオイルはコストパフォーマンスナンバーワンのMoto-ST 10W-40を選択しました。

ルブロスオイルの一番の特徴は独自のベースオイル「ナノパフォーマ」が配合されていること。 ルブロス最大の特徴である新開発ベースオイル“ナノパフォーマ”は 1.オイル分子の細分化 2.オイル分子の均一化 3.オイル分子の結合力強化 これらの特徴を持つナノオイル分子は、オイルと金属の隙間を埋め、ベアリング効果や、密閉効果をより高める働きをします。 ●ベアリング効果 ベアリング効果によるフリクションが少なくなる結果として 1.油温上昇の抑制・安定化・低減 (摺動抵抗の軽減により、摩擦発生と酸化・劣化の予防) 2.高回転での伸びが良くなる (クリアランスを均一化して、摺動抵抗を軽減) 3.エンジン音を抑える ●密閉効果 密閉効果により吹き抜けを抑える効果として 1.パワーとトルクの上昇 2.ブローバイガスの減少 3.オイルの耐久性向上 このナノパフォーマの効果こそがルブロスの特徴なのです。

今回使用したMoto-STはVHVI配合のシンセティックブレンドオイル。 水冷、空冷を問わず、旧車にも使える万能高性能オイル。シティランからワインディングまでストリート走行に最適です。 VHVI(Very High Viscosity Index)は「超高粘度指数」と訳せる化学合成オイルです。 VHVIは鉱物油に水素化精製処理を施したもので、純粋な鉱物油と比較して分子構造が均一で、不純物が少ないのが特徴です。また、VHVIをベースにしたエンジンオイルは高温時と低温時の粘度差が出にくい特性もあります。 化学合成オイルの高性能と、鉱物油の経済性を組み合わせたMoto-STはシール等への攻撃性を考慮しており、旧車にも最適な高性能エンジンオイルです。

対象車両情報
メーカー・ブランド
ドゥカティ
車種
モンスター400
作業実績タグ

整備・車検などメンテナンスのお問い合わせ

ミッツ・ハー
ミッツ・ハー
レビュー

5.0

住所〒216-0001
神奈川県川崎市宮前区西野川2-37-11
地図を見る
TEL044-863-8169
FAX044-863-8172
営業時間11:00〜19:00
定休日毎週水曜日・第2&第4木曜日

モンスター400の新車・中古バイクを探す