公道で真価を発揮する
ネオクラの運動性能
味わいがあっても、運動性能はいまひとつ。ネオ・クラシックという分野に対して、世の中にはそんなイメージを抱いている人がいるらしい。でもそれは大きな誤解だ。現代の技術で設計され、ABSやトラコン、アシスト&スリッパークラッチなどを導入した最新のネオ・クラシックは、場面によってはスーパースポーツと同等以上の速さを発揮するのだから、などと書くと疑いの目を向けられそうな気がするが、高回転高荷重域で真価を発揮するスーパースポーツに対して、ネオ・クラシックは常用域重視の開発が行われている。だから3ケタ国道や県道、農道などでは、数値では特筆すべき要素がないネオ・クラシックのほうが、楽しく、速く走れることが少なくないのだ。
なお近年のネオ・クラシックには、外観のみで往年の雰囲気を再現したモデルと、乗り味でも昔ながらの感触を意識したモデルの2種が存在し、その識別はフロントタイヤのサイズで行える。具体的には、17インチなら前者で、18あるいは19インチの場合は後者。もちろん速さという面では、現代の定番サイズである17インチのほうが優勢だが、フロント18/19インチのネオクラシックが遅いのかと言うと、そんなことはまったくないのである。