スーパースポーツにも負けない現代的な走行性能

スーパースポーツにも負けない現代的な走行性能
中村 友彦

中村 友彦

旧車から最新スーパースポーツまで、あらゆるバイクに興味を示す、雑誌業界23年目のフリーランス。昔から大のツーリング好きだが、ここ最近は1985年型TZR250で、各地の草レースに熱心に参戦中。

公道で真価を発揮する
ネオクラの運動性能

 味わいがあっても、運動性能はいまひとつ。ネオ・クラシックという分野に対して、世の中にはそんなイメージを抱いている人がいるらしい。でもそれは大きな誤解だ。現代の技術で設計され、ABSやトラコン、アシスト&スリッパークラッチなどを導入した最新のネオ・クラシックは、場面によってはスーパースポーツと同等以上の速さを発揮するのだから、などと書くと疑いの目を向けられそうな気がするが、高回転高荷重域で真価を発揮するスーパースポーツに対して、ネオ・クラシックは常用域重視の開発が行われている。だから3ケタ国道や県道、農道などでは、数値では特筆すべき要素がないネオ・クラシックのほうが、楽しく、速く走れることが少なくないのだ。
 なお近年のネオ・クラシックには、外観のみで往年の雰囲気を再現したモデルと、乗り味でも昔ながらの感触を意識したモデルの2種が存在し、その識別はフロントタイヤのサイズで行える。具体的には、17インチなら前者で、18あるいは19インチの場合は後者。もちろん速さという面では、現代の定番サイズである17インチのほうが優勢だが、フロント18/19インチのネオクラシックが遅いのかと言うと、そんなことはまったくないのである。

「ネオ」たる所以の最新テクノロジーNeo
トラクションコントロール
トラクションコントロール

濡れた路面や土の上など滑りやすい地面でアクセルを開けた時に、リアタイヤのスリップを感知し、エンジン出力を抑えるなどの電子制御で車体の挙動を維持する。Z900RSでは走行路面に合わせて2つのモードとオフを選択できる。

アシストスリッパークラッチ
アシストスリッパークラッチ

クラッチレバーの操作を軽くし、半クラッチの操作性を向上する。また、シフトダウン時に発生するバックトルクを軽減し、後輪のホッピングやリアタイヤのロックを防ぐ。ハードブレーキを多用するサーキットで生まれた機能だが、街乗りやツーリングでも重宝される。

ABS
ABS

KATANAの前後ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)はBOSCH製の軽量・コンパクトなタイプ。フルブレーキングしてもシステムがブレーキの効きを適正に制御してくれ、タイヤがロックすることなく安全に停止することができる。

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