誰がこんなモンスターマシン乗るんだ? と見るだに思わせてしまうマッチョなビッグボディは、“恐ろしさ”の点ですでに兄弟分のYZF-R1を超えている。R1のスタリングはもっとスポーティで流麗だ。「R1ベースのネイキッドマシン」という触れ込みはインパクト十分だし、誰もが乗れないからこそのフラッグシップモデルであるとすれば、その存在意義もあるだろう。さて、実際はどうなのだろうか?
二輪ジャーナリストの和歌山利宏さんはこう話す。「足着きはR1ほど悪くなく、ライポジも自然。取り回しもクラッチ操作も軽い。ハンドリングはシビアすぎず軽快だし、雨の中では安定感さえ感じられた。フロントの接地感がいいからだ。低回転で太すぎないトルクはコントローラブルだが、基本的にエンジンは高回転型なので、ワインディングでこそ本領を発揮するだろう」
“開ける”勇気と“開けない”平常心をライダーに求めるのがMT-10なのかも。
全長×全幅×全高=2095×800×1110mm、ホイールベース1400mm、シート高825mm、車両重量210(SP:212)kg、水冷4ストロークDOHC並列4気筒997cc、最高出力160ps/11500rpm、最大トルク11.3kgm/9000rpm、燃料タンク17L、価格=167万4000円、199万8000円(SP)