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![]() ヤマハ TDM900 オフロード的な面白さと自由度を持ったロードスポーツヤマハTDM900は、いわゆるビッグオフとは違い、純粋なオンロードだけを考えたモデルだ。しかし、車体のディメンションやポジションは、オフロード的に見える。これはオフロードバイクの良い部分を、オンロードに特化した作りがなされているからである。 昔から言われていたことだが、重心が高く、自由度の高いポジションを持ったオフロードバイクは、オンロードでもロードスポーツとは別の面白さがある。反面、サスのストロークが大きすぎたり、ブレーキ性能に不満が出てしまうことは否めない。そこで、オフロードバイクのディメンションに、ロードバイクの剛性の高いフレームと強力なブレーキなどを組み合わせて完成したのがTDMというオートバイだった。 エンジンは、パラレルツイン。クランクシャフトは初期のモデルでは360度、つまり等間隔爆発だったが、途中から270度の不等間隔爆発に変更されたため、外観は並列でありながら爆発間隔が90度Vツインと同じになって歯切れの良い排気音、ツインのパルス感、良好なトラクション性能を得ることができた。 走り出すと、90年代前半からヨーロッパと日本の両方で根強い人気を誇っている理由がすぐに分かる。とても乗りやすいのだ。大きな車体が意のままに動いてくれる感じは、ビッグネイキッドなどとはまた異質で、これこそオフロード的ディメンションのなせる技。コーナーリングは、難しい理屈など考えなくても軽快にバンクさせることができるため、初心者からエキスパートまで楽しめる。 オフロードモデルの場合、オンでのコーナーリング自体は楽しかったとしても、思い切ってペースを上げていくとタイヤの限界があったり、サスが柔らかくて乗りにくいと感じることもある。だが、TDMには、そうしたネガティブはまったくない。いわばオンロードとオフロードの良いところ取りした欲張りなモデルなのである。
SPECIFICATIONS エンジン形式:水冷4ストローク並列2気筒DOHC5バルブ 総排気量:897cc ボア×ストローク:92×67.5mm 最高出力:63.4kW(86ps)/7500rpm 最大トルク:88.8Nm(9.1kg-m)/6000rpm 全長×全幅×全高:2180×800×1290mm ホイールベース:1485mm シート高:825mm 燃料タンク容量:19.5L 車両重量:226kg フレーム:ダイヤモンド F/Rサスペンション:テレスコピック/スイングアーム タイヤサイズ:F120/70ZR18 R160/60ZR17 新車価格:103万9500円 中古平均価格:86万7000円 ※中古平均価格はGooBike.com3月調べ |
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