250とは考えからしてまったく違った乗り物

今、スクーターの主流は言うまでもなく250t。だけど人間は贅沢だから、より高い居住性、走りの性能、そしてステイタスを求めるようになった。
もっとパワーがあって大きなスクーターが欲しい。こういった要求で出来上がってきたのがミドルクラスのスクーターだ(スクーター界的にはビッグスクーターだけど)。
スクーターというと、単なる移動の足のように見られているかもしれないが、それだけじゃない。とくにミドルクラスのスクーターは、その余裕のパワー、グレードの高い足まわりと大きな車体で、250tとはまったく違う、優雅でどうどうとした走りを見せる。
実際400tにもなれば、走りの性能には不満など出てこない。そしてなにより素晴らしいのは快適性。市街地でも乗り心地の良さは感じるが、高速道路でパワーがかかった時、ドッシリと安定した状態で走っていく快感は格別。オートバイでもクルマでも味わうことができない、独特の世界だ。
妥協のない作りをしているもんだから、それなりの車両価格になってしまっているし、中古車価格も概して高め。簡単に乗ってみようかということには、なかなかなりにくいけど、実際に乗ってみれば、その価値がわかる。
今、もっとも快適に、そしてリラックスしたままの状態で移動できる2輪車。それが、ミドルクラスのスクーターなのかもしれない。

ホンダシルバーウイング〈400〉
- 最高出力:28Kw(38PS)/7500rpm
- 最大トルク:39Nm(4.0Kgm)/6000rpm
- 車両重量:245s
- 新車価格:70万8750円〜
- 発売日:08年1月
400ccでは唯一2気筒エンジンを搭載しているのがシルバーウイング。水冷のDOHCで気持ちの良い吹け上がりを実現。点火タイミングと燃料噴射でエンジンの特性を変えるTモードを装備。

ヤマハグランドマジェスティ400
- 最高出力:23Kw(31PS)/7250rpm
- 最大トルク:33Nm(3.4Kgm)/6000rpm
- 車両重量:206s
- 新車価格:71万4000円
- 発売日:08年3月
走りの楽しさを追求して車体、エンジンとインジェクションを開発。そして居住性、ショック吸収性の優れたシートなどで快適性も両立。グランドの名前が4輪のGTをイメージさせる。

アプリリアスカラベオ400IE
- 最高出力:25Kw(34PS)/7500rpm
- 最大トルク:37Nm(3.8Kgm)/5500rpm
- 車両重量:189s
- 新車価格:67万8000円
- 発売日:07年モデル
イタリア生まれのスクーター。ホイール径が大きいため、一般的なスクーターに比べて安定していて走破性にも優れる。イタリアンの個性的なルックスで街を走り抜ける。