ミドルアメリカンは見た目より良く走る

どっしりとシートに腰をおろし、まっすぐな道路を突き進むのがアメリカンってマシン。ところが日本だけで独自に進化した400のアメリカンというカテゴリーのマシンはちょっと様子が違う。たしかに車体はロー&ロング、つまり低く長くなっているのだが、真っすぐ走るだけのオートバイなんかじゃない。
狭くて曲がりくねった日本の道でも持て余すことのないように軽快でとても素直なハンドリングが与えられて、一昔前じゃ信じられないほどの乗りやすさを実現している。ホイールベースが長いから安定しているし、おまけにシートが低いもんだからライダーには絶大な安心感がある。
エンジンは、どのモデルもVツイン。ドコドコという鼓動感を楽しみながらお気に入りの道をノンビリ流すのに最適な特性だけど、まわせばそれなりに力があるし、街なかや峠も結構ストレスなく走ることができてしまう。
人気のカテゴリーだけに中古車市場でもかなり多くのマシンが見られるが、攻めて走ることはほとんどないので年式の割に痛んでいないマシンが比較的多い。落ち着いてじっくり探せば、希望にあうマシンは見つかるはずだ。
アメリカンは、どのマシンもしっかり作り込まれていてパーツの輝き方が素晴らしい。走るだけでなく、眺めても楽しむことができる。ミドルクラスにも、そんなマシンがあるんだ。

ヤマハドラッグスター400
- 最高出力:24Kw(32PS)/7500rpm
- 最大トルク:32Nm(3.3Kgm)/6000rpm
- 車両重量:209s
- 新車価格:69万5100円
- 発売日:08年2月
発売以来人気のドラッグスター。その秘密は低く長いだけでなく、大柄な車体。そして気持良く走ることのできるハンドリングとエンジン。完成度の高さがこのモデルの魅力なのだ。

カワサキバルカンクラシック
- 最高出力:24Kw(33PS)/8500rpm
- 最大トルク:32Nm(3.3Kgm)/4500rpm
- 車両重量:234s
- 新車価格:66万4000円(発売当時)
- 発売日:03年3月 (生産終了モデル)
そのデザインと質感の高さが魅力のバルカンクラシック。スタイリッシュなミドルクラスアメリカンのなかでも群を抜いて目立つ存在。新車はないので欲しければ中古車を探すべし。

スズキブルバード
- 最高出力:4Kw(33PS)/8000rpm
- 最大トルク:33Nm(3.4Kgm)/6000rpm
- 車両重量:240s
- 新車価格:73万9200円
- 発売日:06年8月
クラシカルなデザインが多い国内のアメリカンのなか、倒立フォークやアルミキャストホイールを採用した新感覚のクルーザー。メーター類や外装類のデザインも個性的。