2025/02/02 17:15:10 更新【メーターケーブル交換】スズキアドレスV100 スピードメーターケーブル交換スズキ アドレスV100
メーターが動かないということで修理に入庫いただきましたアドレスV100です。 メーターが動かくなったので診てほしいとお客様がご来店。 きっとメーターケーブルが劣化で切れたのだろうと思ったら…ええ…確かに切れてたんですがその切れ方が…ケーブルチューブごと切れていました!

スピードメーターはメーターケーブルを介して車軸と繋がっています。 (電気式の場合は異なります) 車軸部にギヤ(歯車)があり、車輪の回転と同時にギヤに噛みこんでいるメーターケーブルを回転させます。 ケーブルは一般的な構造でアウターチューブ(外側のチューブ)内にワイヤーがあり、その細いワイヤーが回転するのです。 メーター側にこのワイヤーは刺さっており、メーター側のギヤを動かしています。

メーターケーブルのアウターチューブは雨などの影響を受けないように樹脂製の表皮で覆われていますが、表皮の下は内部のワイヤーを保護するために金属製のチューブになっています。 内部のワイヤーは金属製とは言え細く、それが高速回転するのですからかなり負担がかかります。 スムーズに動かすためにグリスがたっぷり塗布されていますが、経年劣化でこのグリスが減ったり固くなるとワイヤーが断裂します。 これを防止するためには定期的にワイヤーに(アウターチューブ内…つまりケーブル内部に)注油をしてあげる必要があります。 ただ、クラッチケーブルなどは動きがわるく重さ(動きの悪さ)を感じた際に注油することはあるのですが、メーターケーブルに定期的に注油する方は少ないですね… 切れたら交換という感じです。

今回驚いたのはその内部のワイヤーが切れただけでなく、アウターチューブ自体も切れていました! 誰かにいたずらされたのか? 自然に切れるものではないはずなのにどうして? 切れた原因はわかりませんが、メーターが動かないのはケーブルの断裂だというのはわかりました。 部品を取り寄せてから本日の交換になりました。

フロントのバスケットを取外し、正面のレッグシールド部のカバーを外し、メーターの収まる部分のヘッドライトケースを外します。 難しい作業ではないのですが地味に手間のかかる仕事です。 外すネジの数も多く…ネジを間違えないようにしなくちゃ…もうネジのサイズは全部共通にしてくれよ… などとブツブツ言いながらメーターケーブルを交換。 ケーブルを通すラインが狭く、うまく通すのに若干難儀しながらも交換終了。 あとは外した外装類を元に戻せば作業終了です。

つい先日もメーターケーブルの断裂で入庫した車両が何台か続きました。 今回のようにアウターチューブごと切れている車両はありませんでしたが、みな内部のワイヤーが断裂していました。 恐らく、冬場は内部のグリスも固くなることが原因でしょう。 長年の使用で徐々にグリスは消費されます。 雨で流れ出たり、本当にわずかずつですが蒸発もします。 グリス自体も劣化して最初の頃の柔らかさがなくなってきます。 そんな状況の中、気温の低下でグリス自体が固くなれば回転運動からワイヤーを保護しきれなくなり、結果ワイヤーがねじ切れるのでしょう。

ちなみにスピードメーターが動かないと整備不良で違反点数1点、反則金6000円(原付は5000円)が科せられます。 実はけっこう白バイはメーターの動作チェックをしています。 大抵は速度違反をしていないかと追尾してきます。 この際、白バイは速度だけでなくあなたのオートバイの灯火類(尾灯…テールランプやストップランプ、ウインカー等)をチェックします。 この際、オートバイのオーナーもうっかりしやすいのがナンバー灯。 ブレーキやテールランプは日常的に点検するも、ナンバー灯は特に昼間は手をかざさないとわかりませんので見落としていることもあります。 速度違反も無く、灯火類の問題もないとわかると白バイは速度をあげてあなたを追い越していきます。 この追い越し際にメーターが動いているかをチェックしていくのです! 実際にメーター不動で整備不良とされたお客様…何人かいらっしゃいます… くれぐれも気を付けてくださいね。