2024/12/20 17:17:34 更新【オイル交換】ヤマハSRX400 エンジンオイル交換ヤマハ SRX400
エンジンオイルの交換でヤマハSRX400にご入庫いただきました。

オーナーがお忙しく、前回のオイル交換からわずか1000キロ未満の走行ですが、半年が経過したため交換します。 エンジンオイルの交換は3000キロ超、5000キロ以内で実施するか、半年以内の交換が推奨されます。 あまりのっていなくても熱が加えられたオイルは徐々に劣化するので交換が必要です。 自動車に比べると常用回回転域が高い(高回転型)エンジンのオートバイはそれだけオイルに対する性能要求が高くなります。 熱に対する要求はそれほど高くないものの、高速で常時動く摺動部は強い油膜で保護をする必要があります。 その為、一般的には自動車用エンジンオイルよりも高い性能が求められます。

スペースに余裕のないオートバイはオイル容量も少なく、自動車よりはるかに高回転で動くエンジンの潤滑や洗浄、冷却を担うためオイルの劣化は早く、当然ながらオイル交換のサイクルも早くなるのです。 また、多くのオートバイはミッション/クラッチのオイルも兼ねている為、これも自動車などに比べると性能要求が高く、劣化が早い要因となっています。 SRXは空冷エンジンです。 先程、排気量の大きな自動車よりも熱に対する性能要求は高くないと言いましたが、実際には渋滞路などでは熱によってオイルが負荷を受けシフト(ギヤ)のタッチが悪くなり、ニュートラルに入りにくくなったりシフトチェンジ時にショックが大きくなったり、あるいはチェンジ時にペダルのタッチが固くなるなどの症状が発生します。 その為、夏場の渋滞路の走行(市街地走行)が多い方は冬場と異なる粘度のオイルを使用するのがベターと言われます。

SRXはドライサンプ形式のオイル潤滑方法を採用しています。 エンジンとは別の場所にオイルタンクを備え、そのタンクからポンプでオイルをエンジンに送り込んで潤滑させる方法です。 多くのオンロードバイクに採用されているウェットサンプ式はエンジン下部にオイルをためる「オイルパン」を備えます。 こうすることでオイルポンプはオイルタンクトいうパーツが不要となりシンプルな構造となります。 オイルパンはエンジンの最下部に設置されますので、それよりも高い位置に設置されるドライサンプのオイルタンクより低重心化が図れます。 一方でドライサンプ式はエンジン下部にオイルパンが不要ですので最低地上高を高くしやすく、オフロードマシンでは主流の方式です。 但し、SRXのようにオンロードマシンでもドライサンプを採用する車両もあります。 SRXはオイルタンクとともに、エンジン側にもオイルを抜く「ドレンボルト」があります。 両方から古いオイルを排出します。

エンジンオイルを抜きながら各部の点検です。 タイヤの空気圧は正常。 ブレーキパッドやタイヤの摩耗も正常。 サスペンションやエンジンからのオイル漏れは無し。 プラグの焼け色、摩耗状況も良好。 ドライブチェーンはあまり乗っていないので伸びなどの調整は不要ですが、グリスが固着気味です。 チェーンルブ(オイル、グリス)はあまり走らせていないとホコリ等が付着して固着気味となることがあります。 チェーンに限らず、たくさん走れば摩耗するパーツがあるのはもちろんですが、乗らなくても要整備となる個所があります。 その為、オイル交換のサイクルは3000〜5000キロ、または半年以内とし、そのタイミングで定点観測的に各部の点検を実施しましょう。 今回、チェーンは新たなオイルを塗布して拭きあげます。 こうすれば新たなオイルがチェーンのリンク部に浸透し、拭きあげる際には古いグリス状になったオイルをふき取ることができます。 チェーンルブの塗布と拭き取りはチェーンの清掃にもなりますので定位的に実施したいところです。

オイル交換で使用するのはミッツ・ハー公式推奨エンジンオイルのルブロス。 ルブロスのオイルラインナップはぜんぶで5種類。 ① Moto-Synthe…原付や実用車などに使用するベーシックオイル ② Moto-ST…水冷、空冷問わず、旧車にも使える万能高性能オイルで、ストリートからワインディングのスポーツ走行まで可能な部分合成油 ③ Moto-SS…ストリートからサーキットまで幅広く対応する高性能100%化学合成油 ④ Moto-RS…ハイパワーエンジンにも対応し、サーキット走行からレースシーンでも使える100%化学合成油 ⑤ Moto-GP…サーキットやエンデューローなどでの高温・高負荷にも耐えうる本格的なレースにも最適な乾式クラッチ専用の100%化学合成油 ②〜⑤はルブロス独自のナノパフォーマを配合しています。 更にグレード(使用温度領域を表す10W-40などの数字)は様々なご用意がございます。 今回使用したオイルはコストパフォーマンスナンバーワンのMoto-ST 10W-40を選択しました。

ルブロスオイルの一番の特徴は独自のベースオイル「ナノパフォーマ」が配合されていること。 ルブロス最大の特徴である新開発ベースオイル“ナノパフォーマ”は 1.オイル分子の細分化 2.オイル分子の均一化 3.オイル分子の結合力強化 これらの特徴を持つナノオイル分子は、オイルと金属の隙間を埋め、ベアリング効果や、密閉効果をより高める働きをします。 ●ベアリング効果 ベアリング効果によるフリクションが少なくなる結果として 1.油温上昇の抑制・安定化・低減 (摺動抵抗の軽減により、摩擦発生と酸化・劣化の予防) 2.高回転での伸びが良くなる (クリアランスを均一化して、摺動抵抗を軽減) 3.エンジン音を抑える ●密閉効果 密閉効果により吹き抜けを抑える効果として 1.パワーとトルクの上昇 2.ブローバイガスの減少 3.オイルの耐久性向上 このナノパフォーマの効果こそがルブロスの特徴なのです。

今回使用したMoto-STはVHVI配合のシンセティックブレンドオイル。 水冷、空冷を問わず、旧車にも使える万能高性能オイル。シティランからワインディングまでストリート走行に最適です。 VHVI(Very High Viscosity Index)は「超高粘度指数」と訳せる化学合成オイルです。 VHVIは鉱物油に水素化精製処理を施したもので、純粋な鉱物油と比較して分子構造が均一で、不純物が少ないのが特徴です。また、VHVIをベースにしたエンジンオイルは高温時と低温時の粘度差が出にくい特性もあります。 化学合成オイルの高性能と、鉱物油の経済性を組み合わせたMoto-STはシール等への攻撃性を考慮しており、旧車にも最適な高性能エンジンオイルです。