2024/09/29 15:40:11 更新【タイヤ交換】カワサキZRX1100 前後タイヤ交換カワサキ ＺＲＸ１１００
前後タイヤ交換でカワサキZRX1100にご入庫いただきました。 タイヤの溝の深さは十分で車検もこのまま通ります。 ただ経年によるタイヤのゴムの硬化で要交換状態。 ゴムは古くなると硬くなります。 硬くなると急ブレーキ時にスリップしやすくなりますから、制動距離が伸びます。 危険です。
オートバイの使用方法、頻度、保管（駐車）環境など様々な要因でタイヤのゴムは劣化します。 2-3年でタイヤの品質は低下するので交換がベターという話しを聞きます。 長くとも4-5年で交換が必要とも聞きます。 商売であるバイク屋さんとしては大歓迎の意見ですが、ライダーの多くはお財布にも優しいオートバイライフを過ごしたいはずです。 無理な維持費は長くオートバイを楽しむことが出来ません。 安全のためには必要なコストをかける必要がありますが、それでも使えるものは長く使いたいですよね。 ゴムの劣化は様々な要因が考えられますが一番大きいのは紫外線の影響。 つまり太陽の光が当たる場所に保管するか、太陽光を遮る保管をするかによって異なります。 西日が強く当たる場所にオートバイを保管せざるを得ない方はバイクカバーなどでしっかりとタイヤを保護しましょう。
気温差が激しい場所でもゴムの硬化は進みやすくなります。 特に寒い時ですね。 雨の影響も受けますし、湿度も関係があります。 湿気の多い場所にオートバイを停めざるを得ない方はタイヤだけでなくオートバイにも悪影響を及ぼす可能性が高いのでマメに点検メンテナンスをしましょう。 ずーっと動いてないオートバイのタイヤも傷みます。 適度にマッサージ…というわけではないのですが、揉まれているゴムと放置されている号ではやはり硬化の進行速度が変わります。 適度に乗り、保管中には紫外線の影響を受けず、できれば気温差の変化も少ない環境での保管がベターです。
タイヤ表面のひび割れはオゾンクラックと言われます。 各タイヤメーカーはこの紫外線によるオゾンクラックが出ないように様々な工夫をしています。 この防止剤の含有量によってクラックが出やすいタイヤ、出にくいタイヤがあります。 ビジネスバイク用タイヤなどは含有量が少ないですし、以前は欧州メーカーのタイヤは含有量が少なかったです。 ひどいクラックは問題ですが、多少のクラックは気にする必要はありません（見た目を気にしなければ） 硬化したタイヤでも走行することは可能です。 注意するのは制動距離が長くなっているということ。 急ブレーキ時にスリップしやすいので注意です。 ただし、硬化したからと言って普通にコーナーを曲がるときにいきなりスリップすることは無いと思います（硬化の程度によりますが） 急なアクションには要注意ですが、普通に走る分には問題ないでしょう。
サーキットのイベントでクラシックレーサーを走らせるデモンストレーションがあります。 ああいう車両のタイヤ、デモ走行のたびに新品タイヤに交換しているわけではないのです。 あれを見てもわかるように急ブレーキや急な寝かしこみ等をしなければ破綻することはありません。 従って硬化したタイヤで走る方は生活道路等で、子供などが飛び出してくる可能性のありそうな場面では特に速度を落として走る必要があります。 コーナーリング中に強いブレーキを使わない（コーナー進入前に必要な減速を終えておく）、雨の時に注意する、白線やマンホールに注意する。 古いタイヤで走るときの注意はこんなところでしょうか。 ただ、それを気にして乗るくらいなら交換したほうが精神衛生上良いですね。 バイク屋さん的にもありがたいです(笑)
写真のZRX1100のタイヤの溝は車検もOKの十分な深さをキープしています。 しかしながら硬化がひどく、ひび割れもかなり目立ちます。 許容できるレベルじゃありません。 タイヤは製造年を調べることが出来ます。 このタイヤは2008年の25周目に製造されたタイヤです。 16年前のタイヤです…そりゃ硬化もしますよね…
交換するタイヤはピレリのエンジェルGT2 ツーリングスポーツタイプのラジアルタイヤです。 古いタイヤと新しいタイヤの硬さを硬度計で計測してみます。 ひび割れのひどい古いタイヤは78を示しています。 新しいタイヤは59です。
オフロードタイヤやスポーツバイク用のタイヤ、ツーリングタイヤ等様々なタイヤの種類によって異なりますが、一般的に60後半から70以降になると危険と言われます。 今回の78はカチカチですね。 硬いタイヤは制動距離が延び、スリップしやすくなるだけでなく操安性にも問題がでます。 ハンドルが路面の影響でとられることもありますし、乗り心地も良くないです。 適度にタイヤは点検し、良好なコンディションで楽しくオートバイに乘りたいですね。
タイヤは命を乗せて走っている。 タイヤの点検、交換のご相談などはお気軽にどうぞ！
