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ネイキッド。説明ご無用な、ド定番モデルたち
4メーカーの代表的看板ネイキッドを一堂に集め
ネイキッドの魅力を再確認しよう。それは、個性の「激突」ではなく
1台として被らない個性の「大競演」となったのである |
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最大出力でも、最高速でもないビッグネイキッドという世界観に込められた
作り手からのメッセージが詰まる濃厚な乗り味にノックアウト必至
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ジャケット、靴、時計、バッグ。衣類や装身具の世界には、確固たる定番が存在する。伝統的な製法、ブランドの看板商品でもあり、物の確かさと選ぶ安心感。同時に持つプライドと付加価値が、長年造っていても人気が絶えない理由なのだろう。移ろう流行りも、定番アイテムを枢軸としてまわる、車輪のようなものかもしれない。
バイク界に目を移せば「定番」という言葉は、まさしくネイキッドが担う役割といえるだろう。ライトの上に速度と回転計のふたつがバランスよく鎮座し、エンジンをスタイルファクターとして大きく見せ、そこから4本生えたエキパイやサイレンサーの形状も大切な見どころだ。また、鉄フレームに正立フォークと、スイングアームとリヤフレームを結ぶ2本サスのベーシックなスタイル。海外では、ネイキッドを「クラシックスタイル」などと呼び、超コンサバなライダーが選ぶ乗り物、というドライな扱いをする国もあるという。大きなお世話である。
スタイルの核でもある燃料タンクにも、デザイン、塗色などにメーカー秘伝のスパイスが用いられ、歴代モデルに採用された史実を見事に封入する。それが後継者としての定番性を静かに語りかける。そのスタイルの起源は80年代に勃興したレーサーレプリカブーム以前のバイクのスタイルとなる。80年代の終わりに、「バイクって、速いだけが能じゃないよね」と、ゼファーの問いかけで見直されたベーシックなバイクの魅力。
むろん、カタチだけではない。その走りはどうか。フラッグシップネイキッドの場合、キーワードとしては、威風堂々としたスタイルであり、それでいてじつは乗り手にとてもフレンドリー。しかし、右手の号令次第で意のままの加速を引き出すことが可能と、高性能モデルを走らせているという充実感をスパイシーに効かせている。さらに、ビックリの乗りやすさも大切な隠し味だ。それらにより紡ぎ出された心地よさは、乗り手の官能的な部分にディープに語り掛ける。バイクっていいなぁ、と。
そんな基礎性能の上に、それぞれのキャラクターが上乗せされた頂上モデルたち。今回、ビッグネイキッドの代表5台はいかなる個性で手練れたる私たちを魅了したか。それを今回は様々な角度から検証をしてみたいと思う。日常的な部分にも目を向け、取り回しやすさはどうか、にも目を向けた。06年バイクシーンにおいて、まだまだ光るネイキッド。それが確認できたことも見逃せない。ではネイキッド特集の始まりである。
写真=松川 忍 文=栗栖国安、松井 勉、相原嘉隆、編集部 |
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