クルーザーとは? |
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そもそも、「cruiser」という単語を英和辞典で引いてみると、巡洋艦とか装甲巡洋艦とか、キャビンを備えたプレジャーボート、あるいは巡航をする航空機、なんて言葉が並んでいる。つまり、巡航、漫遊、ヨットなどで周遊することを意味する「クルーズ」しているモノ、それがクルーザーなのだ。
肝心なキーワードとなるのが、ただ一定速度で怒濤のように走るというよりは、そこに心地よさ、目的意識、もしくは楽しさのようなものが付帯した走る状態、そうした喜びと同義語となる二輪、それが今回特集するクルーザーモデルなのだ。 |
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ゆったり感を出すsoul sound |
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クルーザーの真骨頂は、乗り手の気持ちを解放する心地よさである。ゆったり感。これはけっしてバイクのパフォーマンスが低くてとばせない、ということではない。ここが大きなポイントといえるだろう。エンジンは低回転域からトルクを生みだし、アクセル操作に対して思いどおりの走りを楽しませてくれることが大切だ。
クルーザー系バイクにはVツインエンジン搭載のモデルが多い。それはこのエンジンがスタイル的キーなのはもちろん、スポーツエンジンよりストロークを延ばし、低回転からのトルクを出すのに適しているからだ。 |
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そしてゴージャスな造り込み |
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エンジンが演出する心地よさと同時に、クルーザーがこだわるのがフェンダー、タンク、そしてシートなどの外装部品はもちろん、ハンドルバーやステップ、そしてペダル類やレバー類に至るまでのルックスだ。
これは、バイク乗りの感性を刺激するのはもちろん、たとえばバイクを古い家並みの残る町や、自然が生み出した造形の前に置いたとしても、妙に個性が突出することがなく、クラシックな風格や、それを支える質感などへの配慮に近い粋さが印象的なのだ。「こんなもんでしょ」という妥協はないのである。 |
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