
メーカーの威信をかけたリッタークラスは
わずかな個性の違いを
見わけるべし!!
By 中村さん
門外漢にはどのモデルも同じように思えるリッタースーパースポーツ。とはいえ実際のキャラクターは各車各様だから、ルックスだけで判断すると、購入してから後悔することになるかもしれない。ちなみに当ページで紹介する6台のなかで、僕自身がロングツーリングを余裕でこなせる!と感じたのは、GSX-RとS1000RRのみである。
YAMAHA YZF-R1
♦新車価格:236万5000円~ ♦中古相場:34.1万~279.4万円


2015年以降のR1の最大の魅力は、量産車唯一のクロスプレーンクランク。乗り手にとってノイズとなる慣性トルクを、ピストンの上下動で相殺するこの機構を採用したおかげで、どんな場面でもとにかくアクセルが開けやすいのだ。シート高はクラストップの855/860mmだが、ライポジのスパルタン度はCBR1000RR-Rより低め。
SUZUKI GSX-R1000R
♦新車価格:215万6000円 ♦中古相場:27万~211.9万円


パワーや電子制御という面ではライバル勢に後れを取っているけれど、オールラウンダーとしての資質ならこのモデルが一番。その最大の理由は親しみやすいライポジで(シート高は825mm)、可変バルブタイミング機構のSR-VVTも扱いやすさに大いに貢献。なお215万6000円という価格は、現在のリッターSSの平均を大幅に下まわる。
BMW Motorrad S1000RR
♦新車価格:231万3000円~ ♦中古相場:109.8万~265万円


シート高は824mmで、エンジンには可変バルブタイミング機構のシフトカムを採用。そんなS1000RRはGSX-Rに通じる資質を備えているのだが、このモデルは電子制御がテンコ盛りで、キャラクターはパワフル&シャープ。ちなみに日本車と比較すると、外車勢は維持費が高い傾向なので、購入時にはその点を考慮するべきだろう。
DUCATI PANIGALE V4S
♦新車価格:347万2000円 ♦中古相場:232万~380万円


一昔前は“乗り手を選ぶ”と言われたドゥカティスーパーバイク。とはいえ、多種多様な電子制御を導入した現代のパニガーレV4なら、V型4気筒の軽快感や鼓動感を誰もが気軽に満喫できる。また、日本での支持層は少ないけれど、雑誌業界ではパニガーレV4と同等の戦闘力を備えるSSとして、アプリリアRSV4も好評価を獲得。
※中古車相場価格はグーバイク調べ(2020年12月)。
ライバル勢と比較すると、近年のCBR1000RRはツーリングを含めた日常域重視と思える乗り味だったのだが、車名の末尾にもうひとつRが追加された最新型は、ほとんど市販レーサー。サーキットや高速ワインディングでは最高のパフォーマンスが味わえるものの、ストリートメインで使うなら、ライポジを見直したほうがよさそう。