十車十色の性格あり!!クルーザーの正しい楽しみ方

十車十色の性格あり!!クルーザーの正しい楽しみ方

クルーザー=アメリカンタイプのバイクと考えられていたのは、過去の話。令和を迎えた今となっては、クルーザーバイクそのものの捉えられ方が広がりを見せ、オーソドックスなスタイルから近未来的な物まで、多種多様なモデルが登場してきた。今回はそんなクルーザーセグメントに焦点を当て、その世界観を探ってみる。
Photo/Satoru Ise Text/Dan Komatsu・Toshiyuki Sagayama

壮大な大地を走破することがクルーザー誕生の起源だ

 巡航を意味する英語、“cruise”が語源となっているクルーザーバイク。そもそも巡航というのは一定の速度域を維持しながら、長距離航行する際などに用いられる言葉であり、船舶の世界ではクルーザーやクルーズという単語が良く使われている。それがなぜバイクで使われるようになったのか、そこから紐を解いていくことにしよう。
 そもそも80〜90年代ごろは、現在で言うところのクルーザーモデルというのは、アメリカンバイクとも言われていた。それというのも、アメリカンブランドであるハーレーダビッドソンのモデルの多くは、北米大陸という広大な大地を旅するために、長距離巡航性能を引き上げられたモデルであり、それが欧州や、ここ日本でも受け入れられていた。ロー&ロングなスタイリング、大きく手前に引かれたバーハンドル、ゆったりとした厚手のシートなどの装備は、優雅なライディングをもたらし、その頂点にハーレーダビッドソンがあった。
 国産メーカーも同様のコンセプトを持ったモデルを次々と輩出したうえに、日本のライセンスレギュレーションに沿ったモデルも多数揃えたことで、幅広い層に受け入れられた。当時を知る人なら、原付ではジャズやマグナ、普通自動二輪クラスならスティードやドラッグスターなどが大ヒットした記憶があることだろう。それから時が経ち、カスタマイズの流行と共に様々なスタイルのモデルが登場し、今では一言ではくくれないほどバリエーションが広がったのである。
 その中から、自分の使い方に合った一台を探してみよう。

クルーザーとは?

01
長距離移動可能なタンク
タンク
大陸横断を前提としたクルーザーは、給油タイミングを考慮し、タンク容量も増大していった。一方で小型化するカスタムも流行した。
02
座り心地の良いシート
シート
長時間巡航を想定し、リビングソファのように快適で座り心地の良いシートが備わっているのもクルーザーモデルの王道的スタイル。
03
ロー&ロングに楽なポジション
ポジション
スーパースポーツモデルがコーナーリング性能を高めるのに対し、クルーザーは直進安定性を重視しロー&ロングなシルエットとなる。
Harley-Davidson FXDR 114
Harley-Davidson
FXDR 114
クルーザーの解釈が広がったことによって、多岐にわたって様々なモデルが登場してきた。ハーレーの現行モデルにあるFXDR114は、ストリートを颯爽と流すようなスタイルを持つシティクルーザーとも言える。
新車価格:267万6300円〜
中古相場:199.8万〜260万円

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2019年12月)。

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