クラスをまたいだブームも生んだネイキッドジャンル

クラスをまたいだブームも生んだ
ネイキッドジャンル

 ネイキッドジャンルが成立すると、国内各社はここに多彩なモデルを投入する。'70~'80年代に作られた名車を下敷きにした丸型ヘッドライト、4気筒エンジン、リヤ2本ショックで鉄製ダブルクレードルフレームというのが、その基本フォーマットだ。
 '80年代のバイクブームに比べれば減ったとは言え、まだ中型(当時)が主力で、国内市場に大きく力が入れられた時期。またレプリカブームを経て前後17インチや水冷エンジンは当たり前になっていた。その中で750cc超や免許制度変更もあって、CB-SFのように400ccクラスとリッタークラスに兄弟機が多く登場したし、それは各社の顔ともなっていた。
 車検制度も緩和されて、マフラーほか大物パーツを変更しても車検が受けられるようになる。その中でネイキッドと親和性の高い、各車両の個性化=カスタム化が一気に広まり、ブームになっていった。

1990s
  • ・国内750cc超モデル解禁
  • ・大型二輪免許制度導入
  • ・車検制度・改造の緩和

ゼファー登場以降='90年代は国内バイク環境が変わる。自主規制していた750cc以上モデルの販売が解禁され、続いて400cc以上に乗れる免許が限定解除から、教習所での取得もOKな大型自動二輪に。ネイキッドにも追い風が吹いた。

1992 HONDA CB400SF

1992 HONDA CB400SF

右の1000の400cc版として登場。当時国内市場の中軸だった中型(~400cc)市場へ強くアピールした。前後17インチにCBR400RR/CB-1系水冷4気筒エンジンで、今に至るまで改良を受けつつ生産され、誰にでも薦められる1台。

中古相場価格●20万円~92.1万円

1992 HONDA CB1000SF

1992 HONDA CB1000SF

単に懐古でない、新しい価値観を備えて前後18インチタイヤによる堂々たる車格とCBR1000F系水冷4気筒エンジンとで表現した“プロジェクトBIG-1”による1台。ネイキッドの中心モデルとして1300SF/SBへ発展し、現在までシリーズが続く。

中古相場価格●58万円~60万円

1995 SUZUKI GSF1200

1995 SUZUKI GSF1200

'80年代中盤から展開し高出力で軽量という定評があったスズキ独自の油冷エンジンを軸に、ショートホイールベース+モノサスで運動性の良い車体を組み合わせた、ある意味異色のネイキッド。'95年登場で他社より後発ではあったがリーズナブルな点や油冷用パーツが豊富だった背景から支持を集めた。

中古相場価格●33.8万円~195万円

1995 SUZUKI GSX400IMPULSE

1995 SUZUKI GSX400IMPULSE

スズキは'91年に水冷4気筒エンジンでGSX400Sカタナをリリースしていたが、そのコンポーネントを活用してカタナの前後18から前後17インチにホイールサイズを変えたGSX400インパルスを展開。

中古相場価格●20万円~49.23万円

1991 YAMAHA DIVERSION S

1991 YAMAHA DIVERSION S

1994 YAMAHA XJR1200

1994 YAMAHA XJR1200

中古相場価格●32万円~57.5万円

1993 YAMAHA XJR400

1993 YAMAHA XJR400

中古相場価格●28万円~50.6万円

ゼファーの価値観を独自に捉えたヤマハは空冷前傾エンジンのディバージョン(400。カウル付きはディバージョンS)をいち早く投入。ゆったり乗れる良さはあったが遅いという評価が先に立ち、'93年には走りの性格を強めたXJR400を送り出す。さらに'94年、空冷FJ1100/1200系エンジンを活用し、400同様に走り機能を強く出したXJR1200を作る。

※中古車相場価格はグーバイク調べ(2018年12月)。

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